“ミニシアターVS.シネコン”の構図に異変!? “攻防”から“興亡”が課題の映画館運営事情

 4月26日より「吉祥寺バウスシアター」にて「THE LAST BAUS さよならバウスシアター、最後の宴」と題した特別興行が開始される。この興行は「吉祥寺バウスシアター」の5月いっぱいでの閉館が決定していることを受けてのものである。吉祥寺バウスシアターは、10年前から開始して各地で展開されている『爆音映画祭』など独自の特集上映も盛んで、『変態アニメーションオールナイト』といったイベントなど、国内外のアニメーションを広く紹介することでも親しまれてきた。

 この「吉祥寺バウスシアター」に限らず、ここ数年、主に小規模興行の作品を扱うミニシアターの閉館が相次いでいる。東京23区内でも渋谷・新宿・池袋・浅草・上野・銀座・有楽町・恵比寿などで、多くの「名画座」と呼ぶにふさわしい映画館が続々と消えていった。これは施設の老朽化や耐震基準の不備などに伴う建て替え費用だけに留まらない。昨今よく言われているように、フィルムからデジタルへの移行に伴う投資も経営者に判断を迫らせている。

 ミニシアターでのデジタル上映に関しては、これまでプレイステーション3を使用した映像データやブルーレイディスクの再生も、しばしば話題になってきた。しかしこれらは作品が不正に複製される恐れがあることもあり、特にハリウッドの大作などは正式にDCP(デジタルシネマパッケージ)規格を導入しないと上映を認めないことも、映画館の進退がかかる一因になっている。

 ハリウッドの大作などに関しては、当然のことながら都市部であればTOHOシネマズやイオンシネマなど、大手シネコンの系列で先んじて上映されることになるが、それらのない地域となると話は別になる。例えば昨年末から、沖縄の日本最南端映画館こと「シネマパニック宮古島」では、DCPの導入資金が広く募られている。堤幸彦監督や樋口真嗣監督も応援メッセージを寄せており、目標金額1000万円に対して企業・団体・個人から現在300万円弱が集まっている。

 その一方で、2011年に北海道の新千歳空港ターミナルビル内に開館した「じゃがポックルシアター」、12年にアニメ制作スタジオ・ufotableが徳島市内に開館させた「ufotable CINEMA」や「新宿武蔵野館」を運営する武蔵野興業が新設した「シネマカリテ」など、新興映画館の事例も見られる。

アニメ映画ヒットの法則

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ミニシアターからヒットした作品もいっぱいありますし。

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