「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」

硬派なSF設定にうるさ型マニアも納得!?『シドニアの騎士』 深夜アニメ第1話全レビュー!!【11日(金)編】

2014.04.19

【2014年 春の新作アニメ特集はこちら】

 4月より放映開始された深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

■『シドニアの騎士
第1話「初陣」

 講談社刊「アフタヌーン」連載の弐瓶勉の原作マンガを、静野孔文監督、瀬下寛之副監督、制作ポリゴン・ピクチュアズによりフルCGアニメ化。

 謎の異生物・奇居子(ガウナ)に太陽系は破壊され、生き残った人類は巨大宇宙船・シドニアで銀河放浪の旅に出て1000年。シドニア地下で育った谷風長手は祖父によって人型巨大装甲・衛人(モリト)の操縦を叩きこまれていたが、祖父の死をきっかけに初めて地上に出る。衛人操縦士訓練学校に入学した長手だったが、初の任務のミッション中に100年ぶりに出現した奇居子と遭遇。ついに戦闘が始まってしまうが……!?

 国産ロボットアニメで全編フルCGという本作。制作を担当するポリゴン・ピクチュアズの設立30周年記念という冠付きだけに、衛人を始めとするメカニックの描写には国内外の多数スタジオが動員され、大変力の入った仕上がりに。エンディングでクレジットされるスタッフの多さに他人事ながらため息が出てしまいます……。モノトーンで統一されたメカと漆黒の宇宙は、空気のボカシがなくどこまでも遠くが霞まずに見える真空の宇宙空間の肌寒さを感じさせるカリッとした仕上がり。漢字を多用したモニターグラフィックスも独特のテクノ感が溢れていてカッコ良し。

 キャラクターのCG表現に関しては、ところどころで動きのぎこちなさを感じる部分もあるものの、気にならないクオリティを保っています。ただ顔アップ時などは影の付け方をもっとセル画調にすればさらに良くなるのでは? とも感じました。

 喜多村英梨さん演じる仄クローンたち数人が互いに会話するシーンは、コピペのコピペ貼り付けみたいでじわじわ笑いがこみ上げてきます。原作漫画には長手を囲む女子達のハーレム要素も微妙にあるために、こっち目当てで視聴するのも全然OKだと思います。第一話では女子学生たちの更衣室の3D着替えサービスシーンが登場!

 小惑星を改造した超巨大恒星間宇宙船、光合成が出来るよう改良された新人類、未知の凶暴な宇宙生物との戦闘と、ほかのロボットものと一線を画す硬派なSF設定が魅力の本作。35年前から「ガンダムはSFか否か?」などと、喧々諤々論争を続けているようなうるさ型古株マニア先輩も納得できるハードコアロボットアニメだと思いました!

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(文/出口ナオト)

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