「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」

富士見ファンタジア文庫らしい王道冒険もの『棺姫のチャイカ』 深夜アニメ第1話全レビュー!!【9日(水)編】

【2014年 春の新作アニメ特集はこちら】

 4月より放映開始された深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

■『棺姫のチャイカ
第1話「棺かつぐ少女」

 KADOKAWA 富士見書房 富士見ファンタジア文庫刊行、イラスト担当・なまにくATK(ニトロプラス)、榊一郎の原作小説を、増井壮一監督と制作・ボンズによりアニメ化。

 長きに渡るフェルビスト大陸の戦乱はガズ帝国の崩壊により終戦を迎えた。職を失した乱破師(サバター)のトール・アキュラは「働いたら負け」とばかりに自堕落な放浪生活を続けていたが、妹のアカリに叱咤され、食物を探しに出かけた森の中で棺を背負った少女・チャイカに出会う。そんな二人を襲ってきたユニコーンを力を合わせて退けたトールとチャイカ。実はチャイカは棺の中に機杖(ガンド)を隠し持つ魔法師(ウィザード)であったのだ。運命の出会いを果たした二人は、チャイカを狙う謎の集団との戦いに巻き込まれていく。

 ベテランラノベ作家である榊一郎さんの人気作が満を持してアニメ化に。榊さんは自身の原作小説がアニメ化されるのは今作で7度目(作品数は6作目)になるという横綱級の記録保持者。実は増井壮一監督は以前に『スクラップド・プリンセス』の監督も務めており、榊作品のツボを心得た演出が期待できそう。なまにくATKさんの特徴的なキャラクターデザインも、丁寧な作画によってうまくアニメ用に落としこんでいる感じ。このあたりは流石のボンズ・クオリティですね。

 相当な魔法力を秘めた実力の持ち主らしいのに太眉・カタコトしゃべり・パンを魔法で作ろうとして失敗するドジっ子ぶりなど、さまざまなギャップ萌え属性を備えたヒロイン・チャイカ。全身に白濁液をぶっかけられるサービスシーン(?)もありました。

 実はチャイカの正体をめぐる謎解きこそが物語の中心を担う秘密になっているらしいのですが、最近のラノベ原作アニメは複雑な背景設定を1話から詰め込むものが多い中、あえて細かな設定を語りすぎずキャラ紹介に留め、説明と謎解きを2話以降に回す構成はクレバーだと感じました。

 タイトルやキャラデザなど、一見エキセントリックな印象を受ける本作ですが、その実は富士見ファンタジア文庫らしい古き良きの王道の冒険ファンタジー。いつも変わらない老舗の味の懐かしさを求めるアニメファンにおすすめの逸品です。

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神曲奏界ポリフォニカ』『魔術士オーフェン

(文/出口ナオト)

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