「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」

「榎宮塗り」もファン納得の再現度!『ノーゲーム・ノーライフ』 深夜アニメ第1話全レビュー!!【9日(水)編】

2014.04.16

【2014年 春の新作アニメ特集はこちら】

 4月より放映開始された深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

■『ノーゲーム・ノーライフ
第1話「素人《ビギナー》」

 KADOKAWAメディアファクトリーのMF文庫J刊行、榎宮祐による原作小説(キャラクター原案含む)を、いしづかあつこ監督と制作・マッドハウスによりアニメ化。

 ネット上で「  」(くうはく)の名で知られる無敗の天才ゲーマー。その正体はニート、かつヒキコモリの兄妹空(そら)と白(しろ)だった。ある日、最強のチェス対戦に勝った二人の元に謎のメールが送られて来る。返信した空と白をメールの主・テトは自分の支配する世界へ召喚した。そこは一切の争いが禁じられ、すべてがゲームで決まる盤上の異世界“ディスボード”。ディスボードに住まう十六の種族の中で、人類種は他種族に国土を奪われ滅亡寸前に追い込まれている。人類種を救うため、空と白は頭脳を駆使してさまざまなゲームに挑むのだった。

 天才ゲーマーが腕を見込まれて異世界を救うために召喚される、という洋画などでも時々見受けられる設定の本作。ですが、物語展開の早さと主人公らの頭の回転の早さをシンクロさせて進むスピード感が心地よい。いわゆる「俺TUEEEE!」な主人公無双設定のバリエーションではあるのですが、腕っ節ではなく頭脳と口先のトリックを駆使して勝ち続けるところが新しい感じです。

 また、ゲームに勝つためにはなんでもあり、なわけでもなく、この世界の神であるテトの定めた“十の盟約”と呼ばれる絶対ルールが存在するため、いかに相手の裏をかくか? という心理戦の面も描かれます。空を演じる声優・松岡禎丞さんの相手を追い詰めるマシンガントークっぷりも痛快。

 ディスボード世界の風景には彩度高めの独特の色彩設定が成されているようですが、これはもともとイラストレーターとして活躍されていた榎宮先生のイラストの特徴である「榎宮塗り」の雰囲気に基づいており、ファンにも納得できる再現度ではないでしょうか。

 主人公・空はコミュ障気味という設定なのに、山賊退治や宿代交渉やポーカー対決とか他人対し口八丁手八丁で勝ち抜いてるやん……と視聴しながら疑問に思っていたのですが、実は妹の白が近くにいれば大丈夫、という設定があったのですね。これは原作を読んでいないとわからない部分でした。

 このあたり、バディものの要素に妹萌えを組み合わせて常に離れられない設定を生み出した新発明。ラノベ界に特許申請制度があったら実用新案ぐらいはいけるのではないかと思いました!

【こんな作品のファンにもオススメ】
ファイ・ブレイン ~神のパズル』『問題児たちが異世界から来るそうですよ?

(文/出口ナオト)

【2014年 春の新作アニメ特集はこちら】

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング