「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」

王道要素とセルフオマージュで新たな物語を紡ぐ『キャプテン・アース』 深夜アニメ第1話全レビュー!!【6日(日)編】

2014.04.13

【2014年 春の新作アニメ特集はこちら】

 4月より放映開始された深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

■『キャプテン・アース
第1話「アースエンジン火蓋を切る」

 BONES原作、キャラクター原案・三巷文、五十嵐卓哉監督とアニメ制作・ボンズによるロボットアニメ。

 種子島上空に現れた「円形の虹」のニュースを知った高校生真夏ダイチは、突き動かされるかのように幼い頃を過ごした種子島ヘ向かう。不可解な父の事故死、奇妙な少年少女と出会った記憶。様々な思い出を胸に島に戻ったダイチは、廃墟の中で不思議な少女に導かれ、地下深くに隠された巨大ロボット・アースエンジンと出会う。時を同じくして、遥か天王星から謎の完全機械生命体・キルトガングが地球圏に向けて襲来する。「君はキャプテンか―?」問われるままにダイチはアースエンジンの起動装置ライブラスターの引き金を引いた!

 昨年からアニメファンの間で話題となっていた期待のロボットアニメ『キャプテン・アース』がついに放映開始。メカデザインやデザインワークに関して大変な数のクリエイターがクレジットされており、これだけでも大作感が伝わってきますね。歴代ロボットアニメ第1話のお約束たる「秘密の場所に隠された巨大ロボットに少年が初めて出会う」という、『マジンガーZ』~『機動戦士ガンダム(ファーストガンダム)』~『新世紀エヴァンゲリオン』と受け継がれた展開もバッチリ踏襲。

 また、アースエンジンが地上の発射台から打ち上げられ、衛星軌道上に登る間に次々とパーツが射出され合体し、大気圏外で巨大ロボットとして完成するという、ロボットアニメファンの度肝を抜いて絶賛された一連のシークエンスはどことなく『宇宙の騎士テッカマン』のブルーアース号発進シーンを思わせます。少年時代のダイチと嵐テッペイとの関わりは『勇者王ガオガイガー』のマモルと戒道の関係を彷彿させますし、個人的には、敵のキルトガングの二人・アマラとモコのキャラクターには脚本の榎戸洋司さんが以前携わった『セーラームーンR』前半の敵、異星人のエイルとアンの雰囲気も感じたりしました。

 このように本作には過去のロボットアニメ・メカアクション物の要素やスタッフのセルフオマージュが縦横無尽に引用されており、それらがモザイクの様に積み重なって新たな物語を紡ぎ上げていくのではないでしょうか。

 ともあれ、数々の異色作、問題作を世に放ってきた榎戸さんと五十嵐監督が手がけるだけに単なる元ネタ探しに終わらない、リアルロボットでもスーパーロボットでもない超越ジャンルの新アニメになることは保証されたようなもの。ロボットアニメファンならず、多くのアニメファンに注目してもらいたい作品です。

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(文/出口ナオト)

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