アラサー・アニメファン郷愁の作風『それでも世界は美しい』　深夜アニメ第1話全レビュー!! 【5日(土)編】

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　4月より放映開始された深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ　闇夜の千本ノック」！　※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

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■『それでも世界は美しい』
第1話「晴れの大国」

『それでも世界は美しい』公式HPより。

　白泉社刊「花とゆめ」連載の椎名橙の原作マンガを、亀垣一監督とアニメ制作スタジオぴえろによりアニメ化。

　太陽王リヴィウス一世の治める晴れの大国へ、海を渡ってやって来た少女・ニケ。彼女の正体は、雨の公国の第四公女ニケ・ルメルシエ。歌声に合わせて雨を呼ぶ「アメフラシ」の能力を買われ、顔も知らず会ったこともないリヴィウス一世と結婚すべくこの国へやって来たのだ。なんとか王宮にたどり着き、王に謁見するニケ。即位3年で世界を征服したと伝えられる王リヴィウス一世（＝リビ）は、なんとまだ子供だったのだ……！

　ファンタジー世界を舞台にした久々の正統派少女マンガのアニメ化。「大国の王子のもとへ嫁入りする主人公」というストーリーは女性向け作品の古典的かつ王道プロットですね。90年代のファンタジーアニメを思わせるコメディタッチの作風に懐かしさを感じるアラサー・アニメファンもいるのでは？　とはいえ正直、深夜帯ならずとも土日の午前中に放映でも構わないようなしっかりした作りになっていると感じました。それだけに、美術設定がもう少し中世の異国感を感じさせるような雰囲気があれば……とちょっと気になりました。

　ニケ役の前田玲奈さんは今作が初の主役のようですが、ちょっと林原めぐみさんを思わせる感じの演技でキャラクターに良くマッチしている印象。そして声優ファン的にはナレーションの横山智佐さんに加え、潘恵子さん、池田秀一さん、富田耕生さんといったベテラン勢の参加も予定されているらしく、これは本編登場が待ち遠しいところ。

　女性向けアニメが“大量イケメンキャラ勢揃い路線”に走りがちな中、本作と前枠の『金色のコルダ Blue♪Sky』（参照）は誠実な作品作りが伺えて日本テレビの真剣さが伝わってくる、といいますか。土曜深夜の一時間は、乙女心をくすぐる甘酸っぱい世界に浸るのもよさそうですよ。もちろん男性アニメファンだってOKです。

【こんな作品のファンにもオススメ】
『スレイヤーズ』シリーズ、『西の善き魔女』

（文／出口ナオト）

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