処女作から『サカサマのパテマ』、最新作まで――吉浦康裕監督が自身の軌跡を辿った!

1404_yoshiura_main.jpgアニメ監督・吉浦康裕さん(写真右)と東京藝術大学教授・ 岡本美津子さん。

 3月21日、渋谷のユーロスペースにてトークイベント「吉浦康裕×岡本美津子」が開催された。吉浦康裕さんは『イヴの時間』や『サカサマのパテマ』などを手がけたアニメ監督、 岡本美津子さんは東京藝術大学の教授である。このトークイベントは、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻第五期生修了制作展の一環として行われた。

 同専攻を受け持っている岡本教授については、2010年冬のコミックマーケット77で行われたシンポジウム「日本発コンテンツの創出と海外への浸透が産む日本への理解」に、パネリストとして登壇していたことで覚えている人も多いに違いない。

 今回、吉浦監督が招かれたのは、学生時代から商業へのキャリアパスを訊ねるためである。とはいえ岡本教授は以前NHKに勤務し、『デジタル・スタジアム』(以下、『デジスタ』)の元プロデューサーでもあった。そして当時、吉浦監督は同番組に作品を送っていた。このように実のところ付き合いの長い2人なだけに、駆け足ではあるものの、ほかではまず聞かれることのない一気通貫のトークになった。特にデジスタを初期から見ていた人なら、至福の時間を過ごせたはずだ。

 吉浦監督の記念すべき第1作目は『我ハ機ナリ』である。これは大学に入学してから1年間、何もしなかったことで「これはヤバい」(吉浦)と思って制作したものだった。PV系の作品であるが、この作品を『デジスタ』に応募したことを皮切りとして、後に監督への道が開けていくことになる(ちなみに本作は00年の同番組で、『スーパーミルクちゃん』などで知られる田中秀幸セレクションで放送された)。

『我ハ機ナリ』について、吉浦監督が「恥ずかしい」として上映はされなかったが、次に「出しても恥ずかしくないものを」として大学2~3年生にかけて制作したのが第2作目の『キクマナ』だという。岡本さんが「かなり衝撃だった」という同作は、01年、『デジスタ』のベストセレクションに選ばれた。ちなみにその回の放送を担当していたキュレーターは、伊藤有壱さんであった。クレイアニメーション『ニャッキ!』などで知られる伊藤さんは現在、同専攻の教授でもある。『キクマナ』の制作では「セルとアートの合いの子」(吉浦)を目指していた。「CGがないと出来なかった。そういうこと(アニメーション制作そのもの)を学ぶ大学じゃなかった」(吉浦)。

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