STAP細胞やゴーストライター問題をいじり倒す…“不謹慎ゲーム”はどこまで許容されるのか?

 不謹慎ゲームの是非については、世間の反応を見るかぎり、否定的な意見が多数のようだ。筆者自身、知人がある事件の当事者としてたびたび不謹慎ゲームに登場しているのを知り、少なからず嫌な思いをしてきた。だが実在の事故・事件を扱ったゲームすべてを“不謹慎だから”という理由で否定するかどうかは、個人によって判断のラインが違うのではないだろうか。

 たとえば死者が出た深刻な事件や災害はNGとしても、コピペ研究者やゴーストライター作曲家を扱ったゲームは、本人たちへの社会的懲罰として歓迎する人もいるだろう。こうしたゲームを歓迎する傾向は匿名性が増すごとに強まるらしく、ネット掲示板やまとめサイトでは「もっと叩け」と煽るスタンスの書き込みが少なくない。

 また、ゲーム内容は不謹慎そのものでも「あの事件を風化させないために製作しました」という作者の意図がわかれば許容する、という人もいるかもしれない。ただしこれは作者の本心なのか、批判を逃れるための方便なのか判断が難しいところだが。

 もう1つ、なんでも不謹慎と片づけてしまうことで、コンテンツが畏縮してしまわないか……と心配するクリエイター的な観点もあるだろう。たとえば商業ゲームの話になるが、2011年3月14日、アイレムの脱出ゲーム『絶体絶命都市4』が発売中止となった。当初は3月11日の東日本大震災が原因かどうか不明だったが、開発スケジュールの遅れとともに、震災も理由に含まれていることが朝日新聞の取材で明らかにされた。「賛否両論が起きるソフトは出せない」というアイレム社長の言葉が印象的である。

 おそらく今後も世間を騒がすニュースが報じられるたびに“不謹慎ゲーム”が新しく登場してくるだろう。こうしたゲームを“風刺”ととるか“悪ふざけ”ととるか、どこまで許容できるか、は受け取り手の判断に委ねられているが、せめて被害者、遺族、関係者、そしてプレイヤーに最低限の配慮だけは怠らないでほしい。
(文/浜田六郎)

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