安田理央の「特殊古書店ダリオ堂」 第2回

故・ナンシー関の“田中邦衛アニメ”も楽しめる『マリオペイント』公式ガイドブックのユニークさ

2014.04.05

――ようこそ、「特殊古書店ダリオ堂」へ。当店では、ちょっと変わった本たちを皆様にご紹介していきましょう。

『任天堂公式ガイドブック マリオペイント』(小学館)

 ネットで情報が調べられるようになったからか、それともゲーム自体の勢いが失われてしまったからか……最近はちょっと元気がない感がありますが、数年前までは、ゲームの攻略本にはかなり人気がありましたね。ベストセラーランキングの上位をゲーム攻略本が占めている、なんてことも珍しくありませんでした。

 そして、売れているからゆえの余裕だったのか、類似本との差別化のためだったのか、ゲームの攻略とは直接関係ないような遊びの要素が散りばめられている本も結構あって、読み物としても面白かったりしたものです。結果、ゲーム攻略本をコレクションしている古本ハンターなんてのも出てきたわけです。

 僕自身は、それほどゲームが得意なわけではないんですが(でも実は80年代末期のごく短期間だけファミコン雑誌のライターをやっていたこともありました。「ファイナルファンタジーII」担当でした……)、面白い攻略本は何冊か保存しています。

 中でも、一番気に入っているのが1992年に発売された『任天堂公式ガイドブック マリオペイント』(小学館)です。

『マリオペイント』というのは、1982年7月に任天堂から発売されたスーパーファミコン用のソフト。スーパーファミコン初のマウス専用ソフトということで、マウスとマウスパッドが同梱されていました。ゲームの基本的な内容は、マウスを使って、絵を描いたり音楽を作ったりすることが出来るというソフトです。そのほか、簡単なアニメーションも作れたり、ハエたたきゲームなんかも出来ました。

 ハードがスーパーファミコンなので、機能的にはそれほど高度なことが出来るわけじゃないんですが、細部にまで気を配ったセンスのいい作りで、非常に楽しんで遊べました。本当に、誰でも簡単にアニメや曲が作れてしまうんですよ。

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