中森明菜の復帰報道と『ガンダム』35周年に思いやる――ハマーン・カーンと中森明菜の相似

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　ハマーンが登場した『機動戦士Zガンダム』が放送されたのは1985～86年。

　くしくも明菜は85年に「ミ・アモーレ」で、86年に「DESIRE-情熱-」で、2年連続で「日本レコード大賞」を受賞し、芸能生活の絶頂期を迎える。

　また、明菜といえば近藤真彦との悲恋で、ハマーンも若くして権力志向に走った背景にはかつて恋心を抱いたシャア・アズナブルに対する思いがあることが劇中からは垣間見えて、ともに男に対する業の深さを感じさせる。

　普段はクールなハマーンが、同作終盤にシャアことクワトロ・バジーナ大尉の百式と対峙した際、「もしも、私の元へ来る意思があるのならば…」と同調するように誘ったり、押し気味に戦闘を続ける中で「これで終わりにするか、続けるか？　シャア！」と問い掛けたり、シャアの乗る百式が戦艦の爆発に飲み込まれた直後に「シャア…。私と来てくれれば…」と未練を口にしたりしているシーンがなんとも印象深い。

　80年代に芸能界とアニメ界を駆け抜けた偉大なるヒロイン2人に思いを馳せる今日この頃である。
（文／三杉武）

三杉武（みすぎ・たけし）
全国紙の記者を経てフリーに転身後、芸能評論家として週刊誌を中心に独自の視点から芸能ニュースの解説やコメントを手掛けている。アイドルやアニメ、TRPG、プロレスなどのサブカルチャーにも造詣が深い。2012年には「AKB48総選挙2012公式ガイドブック」にて、経済評論家・森永卓郎氏やマンガ家・小林よしのり氏らとともに“10論客”として「第4回AKB48選抜総選挙」の予想および解説を担当。翌2013年にも「AKB48総選挙2013公式ガイドブック」（共に講談社）にて、“8論客”として、「第5回AKB48選抜総選挙」の予想および解説を務めた。

 
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