Kindleでも読める30年前の名作プレイバック 第8回

『ドラゴンボール』の戦闘の面白さがすべて凝縮されていた!悟空VSベジータの歴史的一戦

 とまあ、ともかく現在のベジータは敵である。悟空VSベジータの一戦は、『ドラゴンボール』の戦闘の面白さがすべて凝縮されていると言っても過言ではないと思う。

 強さを強制的に倍々に引き上げる界王拳、みんなから少しづつ元気を集めて攻撃する元気玉、大猿になっての攻撃……などなど。『ドラゴンボール』にしては珍しい総力戦で、クリリン、悟飯、それにヤジロベエまで加わって戦う。特にすでに雑魚キャラだった、やじろべえの活躍に、当時の僕は胸を熱くした。

 この一戦では、これでもか、というほど激しい戦いが繰り広げられていく。そして、この一戦以降、戦闘マンガは変わったと思う。絵的にも、最もバランスがとれていたころだと思う。ここからは、丸っこさがとれて、どんどん直線的な絵になっていく。

 僕の世代でイラストレーターやマンガ家になった人の多くが、鳥山明の影響を受けていると思う。この頃僕は、イラストレーターになりたくて、美術の予備校に通っていた。デザイン専攻だったけど、クラスには鳥山明の影響を受けている人が多かった。鳥山明が描く、デフォルメされた人物、自動車、ロボット、動物……などは、ひとつひとつがものすごい観察力と、アイデアに満ちあふれていた。正直、予備校や大学のデザインのしょうもない先生の授業より、『ドラゴンボール』を読んでいた方がよっぽど絵が上手くなると思った。その考えは今も変わっていない。

 激しい一戦で傷ついた悟空。仙豆も切れてボロボロになっている。

 死んでしまった仲間たちを生き返らせるために、ピッコロの生まれ故郷である、ナメック星に、ブルマ、クリリン、悟飯の3人が向かうことになる……。

 さあ、次回はフリーザ編。お楽しみに。

●村田らむ(むらた・らむ)
1972年、愛知県生まれ。ルポライター、イラストレーター。ホームレス、新興宗教、犯罪などをテーマに、潜入取材や体験取材によるルポルタージュを数多く発表する。近著に、『裏仕事師 儲けのからくり』(12年、三才ブックス)『ホームレス大博覧会』(13年、鹿砦社)など。近著に、マンガ家の北上諭志との共著『デビルズ・ダンディ・ドッグス』(太田出版)、『ゴミ屋敷奮闘記』(鹿砦社)。
●公式ブログ<http://ameblo.jp/rumrumrumrum/

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