【新連載】今日もオタクはテレビを見む【第1回】

女の子は美人すぎす可愛すぎず…!?“青春”と“SF” ラノベの源流を実写化した『なぞの転校生』

 さてこの『なぞの転校生』、 開始前は“企画・プロデュース・脚本 岩井俊二”という触れ込みでいわゆる小洒落シネフィル御用達みたいな内容になっちゃうのかしらん? と警戒していたのですが、始まってみるとゴールデンタイムのドラマとも邦画大作映画ともぜんぜん違う、むしろ自主映画的な画面作りがなされてて、これがラノベ的な世界観・内容によく馴染んでいると感じました。まず主役3人の役者さん(中村蒼、本郷奏多、桜井美南)がこう、絶妙に良いわけです。キャラクターを作りこまずに素の自分半分ぐらいで演じてる、いい意味での素人っぽさが。

 対して脇を固めるのは京野ことみ、濱田マリ、金山一彦、ミッキー・カーチス、りりィといったベテランの方ばかりで、そのかっちりした芝居と主人公らの演技との差がそのまま少年少女対大人の世界との対比になっています。ミュージシャンの方が多いのは岩井プロデューサーのコネクションなのかな? 個人的にはミッキー・カーチスの痴呆症を発症した時の演技がたまらなく良い。また主人公・ 岩田広一の父役の高野浩幸さんは、かつてNHKの少年ドラマシリーズ版『なぞの転校生』(1975年)で広一を演じておられた方で、特撮マニア的にはこうした目配りもちょっと嬉しい。

 あとは……出てくる女の子が脇役含めみな“美人すぎす可愛すぎず”なのが逆にリアルな感じがしてぐっと来るというか(笑)。これは全話を演出している長澤雅彦監督に依るところが大きいのでは、と感じました。

 今週末3月28日夜の放送で最終回を迎えるこの『なぞの転校生』ですが、劇中に「モノリス」「アイデンティカ」「プロメテウスの火」「フィボナッチ数列」「D-8世界」などなど、厨二魂を刺激するワードが飛び交いながらも画面はインディペンデント邦画調の作りで、しかし両者が違和感なくシームレスに繋がってるという奇妙なテイストが味わえるドラマです。よろしければぜひ見てもらいたく思います。

 そうそう、物語のキーマンである転校生・山沢役の本郷奏多さんは実写映画版『テニスの王子様』の越前リョーマ、『GANTZ』の西丈一郎、ドラマ版『未来日記』の森口(原作の秋瀬に相当)とマンガ・アニメゆかりの作品に多く出演されている俳優さん。声優としては『BTOOOM!』の坂本や最近では『ガンダムビルドファイターズ』でジュリアン・マッケンジーを演じて話題になりましたが、以前よりアニメ好きやラノベ読みであることも公言し、趣味でガンプラも作っているというナイスなイケメンです。この新コラムも読んでくれるとウレシイ……なぁ……(笑)。
(文/出口ナオト)

■『なぞの転校生』
http://www.tv-tokyo.co.jp/nazono_tenkosei/

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