『ドラゴンボール』悟空も●●●するのか!?　大人になった主人公たちがより激しいバトルを繰り広げる「ピッコロ大魔王編」に突入

• ツイート
• 

　そしてさらなるショックが。天下一武道会の途中で、悟空が結婚してしまうのだ。相手は、一巻に登場していた、牛魔王の娘チチ。これまたクラス中で、うおおおおと騒ぎになっていた。

「結婚ってことは、悟空も●●●するのか～!!」

なんて下品な事を言う輩も後をたたなかった。

　試合としては、順当な闘いだったが、悟空、クリリンの体格が大きくなったこともあり、よりバトルは熱がこもったものになっていく。世界の平和をかけた戦いなのだが、悟空は、最後まで天下一武道会で試合をしているというスタンスにこだわっていた。負けたら、ピッコロ大魔王に世界を滅ぼされてしまうのだから、本来試合もなにもないのだが、悟空は頑として、そのスタンスを曲げない。

「なんか悟空ってちょっとおかしいよね？　天然？」

とクラスで、話題になり始めた頃である。

　この悟空の天然っぽい感じは、以降のシリーズにも強く引き継がれていく。3回目の天下一武道会にして、孫悟空は初めて、優勝を飾った。

「ピッコロ大魔王編」にて、やんちゃで楽しかった少年悟空編は幕を閉じ、よりシリアスで激しい戦いの青年悟空編が始まった。
これが、『ドラゴンボール』の転換期になったシーズンだったと言えるだろう。

　次回、『ドラゴンボール』はいよいよ、最も人気のあるサイヤ人編に突入する。その頃の僕はといえば、高校に進学したものの、相変わらずのチビ。でも、鳥山明などのすばらしきマンガ家先生たちに憧れて、絵を描いて暮らしたいと思っちゃったりして……
美術予備校に通ったりするのだ。

●村田らむ（むらた・らむ）
1972年、愛知県生まれ。ルポライター、イラストレーター。ホームレス、新興宗教、犯罪などをテーマに、潜入取材や体験取材によるルポルタージュを数多く発表する。近著に、『裏仕事師 儲けのからくり』（12年、三才ブックス）『ホームレス大博覧会』（13年、鹿砦社）など。近著に、マンガ家の北上諭志との共著『デビルズ・ダンディ・ドッグス』（太田出版）、『ゴミ屋敷奮闘記』（鹿砦社）。
●公式ブログ＜http://ameblo.jp/rumrumrumrum/＞

 
• 前のページ
 
• 1
 
• 2
 
• 3