「AnimeJapan」と「TAAF」開催の裏でジブリは? 名物の「クリエイターズワールド」終了に無念の声も

 このクリエイターズワールドを担当していたのは、ケイ・コーポレーションである。ケイ・コーポレーションはCOMIC CITYを運営している赤ブーブー通信社の母体なので、同人界隈でもお馴染みだ。クリエイターズワールドの出展者は、初期はCG carnivalに出展していた人が多めだったが、徐々にNHKで放送されていた『デジタル・スタジアム』にも登場したことのある人が多く見られるようになっていった。

 CG carnivalはケイ・コーポレーションの主催により、99年、00年、02年の3回実施されたイベントで、06年までは文化庁メディア芸術祭内のトークイベントとしても実施された。CG carnivalには90年代後半のCGブームを支えた人が多く参加していたため、そこから数えるとそれなりの歴史を刻んだことになる。ちなみにケイ・コーポレーションの名はTAAF2014に見られる。TAAF2014には非商用作品を募集しているコンペティションもあるので、これまでのノウハウを活かしやすいことは確かだ。

 TAAF2014のコンペティションは短編部門だけでなく、新たに長編部門が設けられたことでも注目されている。これまでの東京アニメアワードでは短編のみが対象だっただけに、初となる長編にはどのような作品が集まるのか、傾向が全く掴めなかったからでもある。結果として絞られた長編5作品には、今年のアカデミー賞にもノミネートされていた『アーネストとセレスティーヌ』、ビョークのMVで固定ファンの多いミシェル・ゴンドリー監督の『Is the man who is tall happy?』、短編でアカデミー賞にノミネートされたことのあるビル・プリンプトン監督の『Cheatin’』、『おくりびと』とアカデミー賞の外国語部門を競った『戦場でワルツを』のアリ・フォルマン監督による『The Congress』、そしてエレーヌ・ジロー監督らの『Minuscule – La vallée des fourmis perdues』が選出された。なおエレーヌ・ジロー監督は、バンドデシネの大家、故・メビウスの実娘でもある。

 上記のほかにも、これまで通りアニメオブザイヤー部門、アニメ功労部門がある。従って上映のラインナップは、国内のアニメファン向けの「アニメ」から海外作品ファン向けの「アニメーション」まで、今まであるようでなかったバランスのよいものになった。なおアニメオブザイヤー部門については、TwitterやFacebookで参加可能なアニメファン賞もあったので、最終的に何が受賞することになったのか楽しみに待とう。そして両立が続く結果となった各イベントの初回が、どのように日程を終えるのか、その行方を見守りたい。
(文/真狩祐志)

■『AnimeJapan』
http://www.anime-japan.jp/
■『東京アニメアワードフィルムフェスティバル』
http://animefestival.jp/

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