“描けるマンガ喫茶”に、プロアマ問わず漫画家が結集！　名古屋発『漫画空間』の魅力を直撃！

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■漫画講座拡充からエージェント機能まで!?企業と漫画家をつなぐコミュニティを目指して

店長自らレジを打つことも。う～ん、様になってます！

　店長職を遂行するため、40歳を越えて初めてレジ打ちを覚え、食品衛生責任者の資格もとったという深谷さん。「店内が混み合っている時など、接客面ではご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんが、本来は漫画家なので、大目に見ていただければ……」と笑う一方で、4月を目処に漫画講座を開こうと準備中だ。

「洋服のシワの描き方やストーリーの作り方は、漫画全体を見たときの一部分でしかないし、すべてをマスターしてからじゃないと漫画を描き始めてはならないというものでもないじゃないですか。もちろん、本格的に上達しようと思ったら基礎は大切ですが、サッカーだってバスケットボールだって、ミニゲームを通してその競技を好きになるところから始まる。それと同じで、漫画も時間の経過に合わせてコマを割っていく作業が最も楽しい部分のひとつなので、その楽しみに触れてもらえるようなネーム講座になればと思っています。シナリオもこっちで用意しようと思っているんですよ。同じ話でも、人によって全く見せ方が違うだろうし、それを講座の最後に見せ合うのもまた面白いだろうと」

　名古屋本店では、すでに各種の漫画講座を定期開催している。特に不定期開催の現役漫画家による「ネーム講座」と「ストーリー講座」は満員御礼だそう。今後は子どものための漫画塾や旅行会社とコラボして外国人向けの漫画体験ツアーも計画中だという内藤さん。『漫画空間』が国籍を越えた文化交流の場になることも、そう遠い未来ではなさそうだ。

　最後に、深谷さんに今後の展望を聞いてみた。

「自分の仕事と店長としての務めを果たすのが最優先ですが、ゆくゆくはここがプロアマ問わず漫画家のギルドのようになればと思っています。急にアシスタントが足りなくなった時に、『●●さんになら背景を任せられる』といった人材派遣の場として機能したり、常連さん同士で漫画を作ってコミティアに出品したり。『うちの商品マニュアルを漫画でお願いしたい』『漫画で社史を作りたい』という一般企業とマンガ家をつなぎ、作品を提供する場としても機能できればいいですね。いままでだったら、企業と個人のマンガ家が繋がることって難しかったじゃないですか。唯一、出版社を通すぐらいしか方法はなかったと思うんです。だけど、担当編集さんだってサラリーマンだし、よそで仕事をさせるぐらいなら自分のところで独占したいですよね、気分としては。けれどここなら、漫画家さんの立場に立って交渉ができると思うんです」（深谷さん）

　一度にたくさんの情報を、より分かりやすく伝えることができるのが漫画だとしたら、複雑に入り組んだ情報社会のなかで、一般企業にとっての漫画のニーズもより高まっていくだろう。『漫画空間　東京高円寺店』がそういった企業と漫画家のマッチングの場として機能すれば、それは両者にとって大きなメリットになるはず。事実、『漫画空間　名古屋本店』では、一昨年よりJTBプロモーションをはじめとする一般企業のパンフレットや会社案内等の制作を行っている。「読めて、描いて、広がる」がキャッチコピーの『漫画空間』に、今後はエージェントとしての機能が加わるかもしれない――今後の動きに要注目だ。
（取材・文／山脇麻生）

■『漫画空間　東京高円寺店』
http://www.mangakukan.com/shop_koenji.html
住所 東京都杉並区高円寺北2丁目6-1　湘和ビル2階
TEL 03-5327-8167　
営業時間　平日11:00～23:00／土日祝11:00～23:00

雲形定規や筆ペン、カラス口、トーン押さえなども完備している。

コピックは深谷さんの私物。こちらも無料で貸し出しているという。

基本のお値段はこちら。全席禁煙、食べ物の持ち込みも可能だ。

 
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