“描けるマンガ喫茶”に、プロアマ問わず漫画家が結集! 名古屋発『漫画空間』の魅力を直撃!

 このユニークな空間が高円寺に生まれた経緯について、まずは名古屋本店のオーナー・内藤泰弘さんに話を聞いてみた。(『トライガン』の作者・内藤泰弘さんと同姓同名!)

「子どもの頃から漫画が好きで、学生時代は漫画研究会に所属していました。その後、普通に就職したのですが、50歳を前に何か自分で事業を立ち上げたい、どうせなら漫画に関わる仕事がしたいという思いが募ってきたんです。と同時に、漫画が読めて、描けて、漫画好きが集まって交流できる場があったら面白いのではと考えつきまして。脱サラして退職金をつぎ込み、『漫画空間』を始めたのが2010年の5月。もちろん悩みましたが、やらなかったら死ぬ時、絶対後悔するだろうなと思ったんです。1年目はお客様が入らない日が続き、正直どうなることかと思いましたが、『ここがなくなったら困る』『漫空のおかげで賞が取れました』と言ってくださるお客さまの声を励みに続けることができました。おかげさまで徐々に常連さんも増え、20代から30代を中心に、小学生から60代まで幅広いお客様に利用していただいています。サラリーマン時代に比べて収入的には厳しいですが、好きなことができて精神的に充実しています」

 ちなみに、名古屋本店に通って賞を取った常連は、昨年までで6人もいるという。そのうちの1人、棚園正一さんの作品『学校へ行けない僕と9人の先生』は、現在「WEBコミックアクション」(双葉社)にて連載中だ。

■『ワールドビジネスサテライト』がきっかけ!?『漫画空間』が東京に進出した理由

描けるマンガ喫茶に、プロアマ問わず漫画家が結集! 名古屋発『漫画空間』の魅力を直撃!の画像3ペンタブや漫画制作用のソフトも備えているデジタル席全4席の様子。

『漫画空間 名古屋本店』を訪れ、何かを感じたのは漫画家志望者だけではない。30代前半の若さで東京店のオーナーを務める加藤大介さんもそのひとり。

「もともと、名古屋で警備関係の会社を経営していて、打ち合わせで初めて『漫画空間』にお邪魔したのが13年の9月頃。『面白い場所があるんだな』と思った数日後、WBS(『ワールドビジネスサテライト』)で、高架下や高速道路の上など、いわゆるデッドスペースの公共利用が進んでいるという特集があったんです。そこで、JR東日本が本腰を入れて阿佐ヶ谷にアニメストリートを建設中と知りました。経営者として、リスクヘッジのために新機軸の事業を起こしたい、どうせやるなら自分が好きなことをやりたいという気持ちもありましたし、JR東日本の動きも興味深い。数年後にはオリンピックもありますし、明治大学に『東京国際マンガミュージアム』(仮称)ができるという話もあります。いろんな意味で漫画に注目が集まっているいま、いい物件さえあれば『漫画空間』は東京の新名所になるのでは? と思ったんです」(加藤さん)

 ちなみに阿佐ヶ谷アニメストリートは3月29日オープン。阿佐ヶ谷と高円寺をつなぐ約120メートルの高架下に、コスプレ用品専門店からアニメ制作会社マッドハウスのショップまで個性豊かな15店が並ぶ。それも併せて考えると、『漫画空間 東京高円寺店』は最高の立地と言えるだろう。

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