「うちは私企業ですから」『ドラえもん』しずかちゃん修正問題――自主規制を「制作の一部」と言い張るテレビ朝日の呆れた回答

【テレビ朝日広報部の回答】

 放送したものが全てであり、この番組に限らず、番組の制作過程につきましては、従来からお答えしておりません。

※※※※※※※※※

 いかがだろう。本サイトの質問に対して、まったく回答になっていない。さっそく広報部に電話したところ、担当者は「回答に書いてあることがすべてです」と繰り返すばかりであった。

 まず、よくわからないのは、先方が電話で「すべての質問事項に対する回答が、FAXでお送りしたものです」と繰り返したことだ。果たして、読者は彼らの回答が質問1、2の回答といって理解できるだろうか? 少なくとも筆者は理解できない。

 次にひたすら「書いてあることがすべてである」と繰り返す担当者に対して「従来というのはいつか」と聞いたところ「これまでもずっとです」というのである。「これまでもずっと」というのは、テレビ朝日の開局からずっとということなのか。そう問いただしてみたところ、再び「書いてあることがすべてですから」と繰り返すのでである。

 さらに回答では、「制作過程」については答えないとしているが、今回の質問は考査についてであると指摘したところ、「テレビ朝日では考査も含めて制作だと考えている」というのである。

 かりにも有限の電波を割り当てられて放送している放送局がこの態度でよいのだろうか。その点を指摘したところ、ついに「うちは公共放送ではなく、私企業ですから」と言い出すのだ。

 しかも、彼らの回答は先日、J-CASTが取材に対する回答とまったく同じものである(外部参照)。実は、本サイトが送った質問をまったく見ることなく検討しているのではないかと聞いたところ「そんなことはない。個別に検討して返答している」というのである。それでは、どのような検討を、どういう部局で行ったのか。もしかして、ちゃんと社長決裁までとったものなのかと聞いてみた。それに対して担当者は「検討の過程は説明できない。テレビ朝日として回答しているので、社員すべてが同じ意見です」というのである。

 さらには、こうして問題点を追求する筆者に「言質を取ろうとしているんでしょ」と言い出すのであった。
 
 この不毛な電話での取材は約30分あまり。「そこまで言うなら、今から出向くから話をしようじゃありませんか」という筆者に、担当者は「回答は紙で行うことになっている」と繰り返すばかり。

 もちろん、対応した広報部の担当者にはなにも含むところがない。ところが、「あなたはオカシイと思わないのか」と問うたところ彼は「個人的な質問には、お答え致しかねます」と言うのである。この担当者と意見の一致をみたのは「別にあなたに恨みはないが、私は問題だと思うので記事には書かせていただく」といったところ、「それは言論の自由がありますから」と答えた部分のみである。

 今回のテレビ朝日の対応の問題点は、自主規制を完全なブラックボックスにしていることにある。彼らは「制作過程」だとして、納品された素材をチェックして放送するまでの過程を一切明らかにしようとしない。自主規制を行い、その理由や過程をまったく説明しないのだ。これは、もはや“検閲行為”といっても言い過ぎではない。すでに問題は“単なるアニメのシーンひとつ”の云々ではすまなくなっていることを、彼らは認識しているのだろうか?
(取材・文/昼間 たかし)

「うちは私企業ですから」『ドラえもん』しずかちゃん修正問題――自主規制を「制作の一部」と言い張るテレビ朝日の呆れた回答のページです。おたぽるは、アニメ話題・騒動の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!