“震災復興の後押し”を掲げたアニメ『Wake Up, Girls!』が描く東北 ネットでは賞賛の声も

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『Wake Up, Girls!』
第9話「ここで生きる」

震災復興の後押しを掲げたアニメ『Wake Up, Girls!』が描く東北 ネットでは賞賛の声もの画像1Wake Up, Girls!』公式HPより。

【今週の極私的見どころ!】
 菊間夏夜(CV:奥野香耶)ちゃんの見せ場がやっときましたね!!! 彼女の活躍をずっと待っていた夏夜ファンの皆さんはさぞかし大喜びだったことでしょう。もちろん筆者もです。しかも作画が美麗な回だったこともあり、さらにテンションが上がりました。お風呂のサービスシーンもありましたしね!

 今回は夏夜の秘密が明らかになり、さらにまゆしぃ(島田真夢/CV:吉岡茉祐)のI-1クラブ脱退理由もついに語られました。どちらに関しても「秘密にするような話なのか?」「ひっぱった割に普通すぎた」といった意見もありますが、彼女たちにとっては大きな出来事だったのでしょう。うら若き乙女の心は、繊細で複雑なのです。ただ、気になるのは夏夜の手紙に入っていた写真の男性の顔がぼかされていたこと……ぼかすとなんだか怪しくないですか?

【今週のおすすめ度】
★★★☆☆
(前回のあらすじはこちら

 メンバー同士のギクシャクした関係を見かねた夏夜の提案で、彼女の出身地でもある気仙沼で合宿を行うことにした「Wake Up, Girls!」(通称:WUG!/ワグ)の7人。宿泊先は夏夜の親戚が営む旅館に決定。早速メンバーたちはバスで気仙沼に向かいます。

 気仙沼に到着した彼女たちの目に飛び込んできたのは、未だ震災の爪あとが残る街の様子でした。ヤマカン(山本寛監督)、ここに来て本格的に震災ネタを取り入れてきましたね。今回、このアニメが震災復興のために制作されていたことを改めて認識したワグナー(WUG!ファン)も多かったようです。

 体力づくりやレッスンに励みつつも、合宿を楽しむメンバーたち。夜になりほかのメンバーが寝静まった中、真夢は一人でランニングに励んでいました。そんな真夢が気になった夏夜は部屋を抜け出し、様子を見に行きます。そこで夏夜は突然、真夢に秘密の手紙を手渡しました。そこには夏夜の大切な幼馴染(彼氏……ではないの?)の写真が添えられていたのです。漁船に乗っていた彼は、3年前の震災で船ごと流されました。手紙には、彼の乗った漁船のブイがアラスカに流れ着いたという旨が記されていました。

「震災で大切なものをたくさんなくして、仙台に逃げ出した」と語る夏夜。どうしていいかわからなくなっていた時、WUG!メンバーの募集を見かけ、なんとなく応募して活動を始めたというのです。しかし、いつしかWUG!は夏夜にとって“がんばれるもの”になっていました。

「がんばりたくてもがんばれない人のために、何かをがんばる。今はそう思ってる」

 こう涙ぐみながら語った夏夜は、「じゃあ次はまゆしぃの番だよ」と一言。すると真夢は「長くなってもいい?」と断りを入れ、I-1クラブ脱退の理由をぽつりぽつりと語り始めました。

 12歳でI-1クラブの1期生となった真夢。始めは楽しく活動していたものの、だんだんと白木徹(CV:宮本充)の定める厳しい戒律に疑問を抱くように。そんな矢先、最初から一緒にがんばってきたメンバーの黒川芹香(CV:秋奈)が恋愛禁止の戒律を破り、グループを解雇させられることになったのです。「辞めたくない」と訴える芹香にも、白木は非情でした。納得がいかない真夢は白木に「芹香を辞めさせないでほしい」と意見しますが、それが白木の逆鱗に触れることに……。白木は真夢と岩崎志保(CV:大坪由佳)を勝負させ、結果、悪い噂を流されて志保に負けた真夢は、陥れられて解雇されてしまったのでした。このネタについては「完全にAKBだな」「現実では恋愛が発覚しても辞めていないぞ」など、ネット上でも大盛り上がり。

 その後、逃げるように仙台に越してきた真夢は、「それでも歌ったり踊ったりすることを諦められなかった」ため、WUG!に加入。そうすることでI-1クラブの時にはわからなかったことがいろいろわかったと言うのです。

「私は自分を幸せにするためにここにいるんだって、ようやく思えるようになったの」

 そう語る真夢に、「それ、みんなに言っちゃいなよ」と夏夜。真夢が振り向くと、そこには七瀬佳乃(CV:青山吉能)をはじめ、WUG!メンバー全員が優しい笑顔を向けていました。真夢と佳乃は和解し、その様子を見ていた久海菜々美(CV:山下七海)も、光塚の受験をやめてWUG!の活動に本腰を入れると決めたのでした。え、菜々美の描写少ない! まあいいか!(笑)

 こうして一丸となったWUGメンバー。次回「登竜門」ではついに「アイドルの祭典」に出場!?



「過去最高の神回」「いい話」「まともだった」と高評価が飛び交った今回。気仙沼の様子を客観的に描いていた部分も、評価が高かった理由の1つでしょう。3月11日付近の放送日でこのエピソードを持ってきたことで、“震災復興を後押しするアニメ”としての役割をしっかりと果たしたのでは。また、筆者と同じく「やっぱり作画は重要」と感じた視聴者も多かったようです。

 そのほか、「全員で風呂とか、かわいすぎる」とサービスシーンに喜ぶ声や、「私服のバリエーションが多い」「まゆしぃのポニーテールに萌えた」など細かいポイントを評価する声も。展開がやや雑な部分があるものの、全体的にマイナスな意見は少なく、“WUG!らしさ”が光った回となりました。

 とにもかくにも筆者は夏夜が活躍して大満足。あと3話でどうラストへと向かわせるのか、楽しみになってきましたよ!
(文/ロペ子)

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