イギーのデザインは? 放送クール数は? 過去の映像化からアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』第3部を大胆予想!

1403_jojoanime.jpg『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』公式HPより。

 連載28年目を迎え、シリーズが継続すること8部、現在通算100巻を超える長編マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)。2012~13年に第1部と2部が初めてテレビアニメ化され、原作ファンからも好評を博したのは記憶に新しい。そして今年4月からは、シリーズ屈指の人気を誇る第3部をアニメ化した『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』(以下、アニメ『ジョジョ』3部)がオンエアされる。すでに公式サイト(参照)ではPVも公開されて盛り上がりを見せている。そんな第3部がどんな形で私たちの前に姿を現わすのか、原作の描写や過去の映像化・出来事などと照らし合わせながら予想してみたい。

■放送話数は3クールか!?

 現在、アニメ『ジョジョ』が何クールで放送されるかは正式発表されていない。近年のアニメ作品は、原作の有無にかかわらず1~2クールが大半で、昨年放送された『ジョジョ』も第1部と2部を2クールの全26話できっちり終わらせている。コミックスにして12冊の映像化としては、ちょうどいいボリュームだったのだろう。では今度の第3部も2クールで収まるかといえば、正直難しいと思われる。ネットでも、「そのままでは無理だろう」という見解が多数を占めている。

 その根拠は、原作のボリュームと濃密さだ。第1部と2部の原作は、単行本にしてあわせて12冊弱で終了しているが、第3部は16冊強という大ボリュームである。削れそうなエピソードも少なく、また原作リスペクトにあふれた第2部までのアニメを踏まえれば、ファンの間で黒歴史とされている第1部の劇場版アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』のように、“必要最低限のキャラすら削除して尺に収めよう”という姿勢は考えにくい。原作の熱い展開を完全再現するため、3クールを確保してくれるはずだ!

■キモカワイイ(?)イギーは見れない!?

 緻密な世界観のなかで描かれている『ジョジョ』シリーズといえど、長期連載に伴って不明な点、矛盾点の発生は避けられない。原作第1部の初出時に「家庭を持たなかった」と語るキャラの孫が出てくるといった致命的な設定ミスがあり、作者がコミックスあとがきで謝罪する事態となった。昨年放送されたアニメでは後期コミックス版と同じく設定が変更されて矛盾は解消されていた。マンガ史に残る伝説の誤植「なにをするだァーッ!」も、アニメでは訂正済み。また、第3部スタートは西暦何年のことだったのかという年表問題(1987年や1988年など諸説あり)も、アニメ第2部のエピローグで1987年と確定された。

 第3部にも、致命的とまでは言わないが「あの部分とこの部分の描写が食い違ってない?」と気になるシーンはいくつか存在する。承太郎初登場のシーンで明らかに彼のスタンドの射程外から物品を持ち込んでいる、花京院初登場シーンでの“見えないスタンド攻撃”の正体、初期のディオが“クモの巣を破らず背後に移動”できたのに終盤のディオは“スタンドの糸を切りながら攻撃”してきた……など、多くの描写についてファンの間で正しい解釈が議論され続けてきた。また、犬のイギーなどはビジュアルの変化が大きく「初登場時と終盤では犬種そのものが変わってるよね」としばしば笑いのネタにされている。

 こうした矛盾の大半は、少しセリフや描写を追加すれば矛盾なく説明できるので、アニメスタッフの絶妙なフォローによって、長年の論争が終わることであろう。ただし、イギーのデザインは初登場時から後期デザインになっていたら、それはそれで原作リスペクトではないのかも!? アニメスタッフにとっては頭を抱える問題かもしれない。

■荒木先生の神がかり的な予言は封印?

 エグい描写も多く、グロ耐性のない人にはちょっと辛いと言われる『ジョジョ』シリーズ。さらに地上波アニメ特有の事情として「放送しにくい描写の自主規制」も絡んでくるため、完璧な原作再現は難しいと思われる。たとえば第2部までのテレビアニメ版では、人体欠損シーンが激しい陰影で隠される、血液の色が赤くない、黒人差別のセリフを削除、ナチス・ドイツがらみの描写を全カット……など自主規制が少なからず見られた。

 第3部も、第2部までと同等かそれ以上に自主規制の対象になりそうなシーンが多い。特に中盤以降は激しい流血(ほぼ全バトル)、人体欠損(アブドゥルやポルナレフ)、児童虐待(赤ん坊にウ○チを食わせる)、動物虐待(猫を撲殺解体して人に食わせる)など過激シーンが目白押しだ。アニメ『ジョジョ』が深夜帯の放送といえども、ダイレクトにこれらを放送するのは難しいため、なにかしらの修正は入るだろう。

 もうひとつ気になるのは、『ジョジョ』第3部で語りぐさになっている“アメリカの同時多発テロ(9・11テロ)を高精度で予言した”というシーンの扱いだ。作中のあるエピソードで「空をとぶ飛行機」「(イスラム教のシンボルである)三日月」「(日付を暗示する)911という数字」「(ワールドセンタービルが崩壊したのと同じ)10時半という時刻」「人間の無残な死」――これら全部が同じシーンに出てきたのだ。のちに作者の荒木飛呂彦本人は、このことをまったくの偶然とコメントしているが、荒木先生が人間を超越しているというのはファンにとって“公然の事実”であるため、偶然と考えていない人も少なくない。(というネタがある)

 さて、記者としてはこの描写も当たり障りないものに差し替えられると予想する。これ以外にも『ジョジョ』とイスラム教との因縁めいた出来事があったからだ。

 08年、第3部OVA版『ジョジョの奇妙な冒険 Adventure 6 -報復の霧-』でコーランがらみの描写に問題が発生。悪の親玉であるディオがあるシーンで本を読んでおり、その文面がコーランの内容と一致したため、イスラム教の関係者から激しいクレームが付いたのだ。この描写は原作にはないもので、OVAのスタッフが気付かずに盛り込んでしまったものだったのだが、一時はOVAだけでなく、日本国内での原作コミックの販売までもが停止されるなど大騒ぎとなった。こうした経緯があるだけに、わざわざイスラム教徒を刺激しかねないシーンまで完全再現するとは考えにくい。おそらく原型がわからないレベルまで改変され、デリケートな問題に触れないようにするはずだ(その描写自体はまるごと変えてもストーリーに矛盾が出ない)。

 こうして長々とアニメ『ジョジョ』3部の展開や描写を予想してみたが、少なくとも前シリーズの完成度と今回のスタッフ&キャスト陣を見るかぎり、ファンの期待を裏切ることは決してないはずだ。今回のアニメ『ジョジョ』3部の制作は、第1部、第2部の好調なセールスによって叶ったともいわれている。願わくばアニメ『ジョジョ』第3部も堅調なセールスを記録して、ファン待望の“第4部アニメ化!”まで突き進んで欲しい。
(文/浜田六郎)

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