混迷深めるウクライナ情勢に現れた「謎の武装集団」 マニア的好奇心をくすぐる部隊にネットも大盛り上がり!

1403_nazo.jpgミリタリーユニフォーム・バイブル(イカロス出版/著:金子賢一 イラスト:大藤玲一郎)※画像はイメージです。

 新たな冷戦の幕開けか? と世界が恐怖する混沌のウクライナ情勢。そのさなか、クリミア半島に現れた謎の新勢力に注目が集まった。

 2月末に現れたこの正体不明の勢力は、突如、クリミア自治共和国の空港など、重要施設を占拠。メディアでは「謎の武装集団」として報じられた。この部隊は、軍隊のごとく統制の取れた行動をとっているが、使用している車両からはナンバープレートも取り外されていて、所属は一切不明。ゆえに「謎の武装集団」として報じられたのである。

 ウクライナ側は、この「謎の武装集団」をロシア軍であると断定し「主権国家に対する挑発だ」と非難。ところが、ロシア側が関与を否定したため、メディアでは数日にわたって「謎の武装集団」として報じられてしまった。さらに4日には、ロシア・プーチン大統領は会見を行い、彼らのことを「地元の自警団」だとしていた。

「謎の武装集団」という言葉が相当なインパクトがあったのか、ネット上では、これを半ばネタ扱いする意見が、多く見られた。「ロシア軍の装備で武装したロシア語を話す謎の武装集団w」といった書き込みが、それだ。

 さらには、クリミアのロシア系住民が「謎の武装集団」と仲むつまじくしている様子を撮影した写真なども流れ、シリアスな情勢ゆえに、一周回った笑いとして受けとめられたのである。

 日本ではTwitterを用いて「謎の武装集団大喜利」を行うといった現象も見られた。こうした現象は、日本だけに止まらない。いくつかの言語で「クリミア 謎の武装集団」といったキーワードで検索して見たが、どこの国でも「いや、別に謎の集団じゃねえだろ……」といった感じで、「謎の武装集団」は笑いありシリアスありに注目を集めたのである。

 その後も、ウクライナ海軍のベレゾフスキー総司令官が、ウクライナ暫定政府から離反して親ロシア派のクリミア自治共和国に忠誠を誓ったことが、当初「寝返り」と報じられたりしている。なにせ欧米諸国とロシアの双方が、見るからにプロパンガンダの意図が入っている報道を垂れ流して敵愾心を煽っているわけで、ハタから見ているぶんには、ワクワク感を感じずにはいられない。

 今や、リアルな戦争がインターネットによって、ほぼ生中継される時代。2008年にロシアとグルジア間で勃発した南オセチア紛争、現在進行中のシリア内戦など、あらゆる戦争の映像を、安全圏から見ることができる。一部では「いよいよ第三次世界大戦か」といわれるような状況で、ネット上でもミリオタならずともどこかワクワク感が漂っているのは、日本の平和ゆえだと喜ぶべきなのか……。

 なお、現在のロシアVS.ウクライナの力量では、クリミア自治共和国が独立する可能性は高い。ロシア周辺の民族紛争が絶えない地域では、南オセチア共和国やアブハジア共和国、沿ドニエストル共和国など、「インチキ国家」の宝庫。“飛び地”“傀儡政権”という言葉に反応するマニアも、期待を高めているハズだ。ともあれ、ウクライナ情勢はまだまだ渦中。オタク的な好奇心と共に状況を見守っていきたい。
(文/緑林 学)

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