『エヴァンゲリオン』のラストにしか見えない!? 数々の大作をオマージュし続ける『サムライフラメンコ』

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『サムライフラメンコ』
第18話 「宇宙でフラメンコ」

『エヴァンゲリオン』のラストにしか見えない!? 数々の大作をオマージュし続ける『サムライフラメンコ』の画像1『サムライフラメンコ』公式HPより。

【今週の極私的見どころ!】
 フラメンコ星人の宣戦布告「ユーアンダスターン(Do you understand)!?」に笑いました。ミスター・ジャスティスに扮していたから英語(もどき)混じりなのか、もともと英語混じりだからアメコミヒーローに扮したのか……真相はよくわかりませんが、聞いているとだんだんイラっとしてきます(笑)。それが笑えるんですけど。

【今週のオススメ度】
★★★★☆
(前回のあらすじはこちら

「日本の諸君こんにちは。キミたちはこれから私の管理下に置かれることになる。覚悟したまえ」

 突如現れた光の円盤から聞こえてきたのは、フラメンコ星人(CV:安元洋貴)の侵略宣言。日本国中が絶望の波に飲まれ――るかと思ったら、「この光景、前にも見ましたね」「(展開が)マンネリです」サムライフラメンコこと羽佐間正義(CV:増田俊樹)を含む歴戦の関係者たちはあきれ顔です。

 ひるむことなく宣戦布告する羽佐間に、フラメンコ星人は「我々は決して、今までキミの戦ってきた敵ではない。むしろキミたちを救済したいと願うものだ。フラメンコの名を持つ者同士、ゆっくり話し合おうではないか」と語りかけます。

 宇宙船へ続く空間転送装置を地上に置いて、姿を消したフラメンコ星人。幻覚を見せる技術や、空間転送装置なんてオーバーテクノロジーを見せられて悩まない人間はいません。緊張の面持ちで羽佐間の動向を見守る緊迫の場面ですが、ネットの視聴者たちの間では「どこでもドア」に見える空間転送装置に話題沸騰。確かに筋書きより、その図柄が気になりますね。
 
 そんな時、緊迫した沈黙を破って「行けよ」と言ったのは、羽佐間のよき理解者・後藤英徳(CV:杉田智和)。羽佐間に想いを託します。

 緊張した面持ちで「どこでもドア」もどきの扉を抜けると、そこは果てしなく何もない真っ白な空間。呆然と立ち尽くす羽佐間に、フラメンコ星人は「ここは我々の宇宙船(の中)だ」と説明します。そして次の瞬間、羽佐間の目の前には夕日に照らされた土手が広がっていました。「人は土手でこそ真実を語る」なんて自身満々に語るフラメンコ星人は、ガチンコアニメの見過ぎではないでしょうか?

 そこでフラメンコ星人は生命を強制進化させる装置だという光る塊を取り出し、これは以前キング・トーチャー(CV:速水奨)に渡したものだと説明。「この塊を握って進化したいと願えば、人は進化できる。フラメンコ星人がそうであるように、ひとつの固体に無数の意識が取り込まれていけば、すべての生命が一つとなり宇宙から永遠に悪が消える」と言い、羽佐間にその人類の代表になるよう促すのです。

 次の瞬間、羽佐間はその提案を突っぱねます。さすがヒーローと思ったのも束の間、「何が間違っているかわからないけど、お前は間違っている!」という説得力皆無の羽佐間のセリフには、「~たまえ」口調だったフラメンコ星人まで「はぁ!?」と思わずツッコミます。

「(フラメンコ星人の理論を認められないのは)キミが馬鹿なだけだ!」と叫んだフラメンコ星人に対して「馬鹿なら馬鹿でいい。正義と馬鹿は紙一重!」と言い返した羽佐間。自分が馬鹿だってわかってたんですね。

 説得は無駄だと悟ったフラメンコ星人は、悪役のセオリー通り巨大化。絶対絶命のピンチに陥った羽佐間は、強制進化の装置を握り言います。
 
フラメンコ星人「きさま、結局握るのか!」

サムライフラメンコ「僕は進化なんか求めない。僕は僕のままでお前を倒す! そのための力を!!」

フラメンコ星人「だから、結局握るんだろーがぁ!!」

 宇宙人のツッコミに、「あれはきっと、(声優の)安元さんの心の叫びに違いない」とネットは大盛り上がり。

 次の瞬間、巨大化した羽佐間とフラメンコ星人は宇宙船の上で相対!! ネットでは『ウルトラマン』や『天元突破グレンラガン』との類似点も指摘されていましたが、もう何をミックスしてきても驚かない、というのが視聴者大半の意見のようですね。

 宇宙レベルでの壮絶な殴り合いの末、羽佐間は悟ります。「お前の何が間違っているのかわかった」人類に必要なのは進化ではなく、一歩一歩進む進歩だ、と。そして、フラメンコ星人を銀河へ吹っ飛ばした羽佐間は、月の上で力尽きるのです。

 そんな羽佐間が目を覚ましたのは、なぜか実家の仏間。「ここで夢オチ!?」「今までの視聴時間を返せ!!」「ふざけんなああああああ!!」と叫ぶ視聴者の怒りを鎮めるように、縁側に座っていたハラキリサンシャイン(CV:関智一)が説明を始めました。

「私は宇宙の意思で、ここはキミのゴールだ」

 ……まったく要領を得ません。さらにハラキリサンシャインは続けます。フラメンコ星人が吹っ飛ばされた軌道には彼を止める物体がなく、羽佐間の勝利とすると。そして、“戦いを続けるか、元の世界に戻って悪のいない平和な生き方をしていくか”の選択を迫ります。

 視聴者が言うように、このシーンはテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のラストにしか見えません。このアニメは、どこまで大作をパクリ続けるのでしょう。

 思わせぶりな“宇宙の意思”の言葉に、羽佐間は悩むことなく「帰ります。元の世界に」と答えます。そんな羽佐間に、“宇宙の意思”は最後に「ひとつ確かめたいことがあるそうだよ」と言って、羽佐間の祖父へと姿を変えます。祖父と話をした羽佐間は、あっさりと地球に帰還。待っていてくれた後藤の元へ、何事もなかったかのように戻るのです。

後藤「フラメンコ星人は」

羽佐間「帰ってもらいました」

後藤「そっか。お疲れ」



 いや。いい話だった! 最終回かと思わしきラストに、「あと4話、何をやるつもりだ?」と首を傾げた視聴者の気持ちもわかりますが、それはそれ。アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』との類似点を挙げる視聴者も多かったようですね。全体の感想としては、「途中で視聴を止めた人が正解」「まったく面白さがわかない」という意見と、「面白かった。これまでの流れに納得がいった!」「ここまで突き抜けてくれれば、面白い!」という意見に分かれました。いよいよ最終回も近づいた第18話。残りのストーリー展開から目が離せませんね!
(文/牧野絵美)

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