Kindleでも読める30年前の名作プレイバック 第6回

ドラゴンボール史上最もバラエティに富んだ冒険を繰り広げた「レッドリボン軍編」 悟空がアラレちゃんに遭遇!? 

 ドラゴンボールにはいくつもの“黄金パターン”が存在する。例を上げると、「ヤムチャは、いきがって負ける」とか「クリリンが殺されて、悟空が切れる」とか「偉い人は偉くなさそうな出で立ちをしている」などなどである。Kindle版で一気に読むと、同じパターンが幾重にも繰り広げられているのがわかる。でも、ワンパターンで嫌になるかというとそうではなく、何度でも楽しめてしまうから、“黄金”のパターンなのである。

 桃白白を倒した後は、悟空単身でレッドリボン軍の総本部に突撃し、壊滅させる。

 この闘いのスピード感はすばらしく、ドラゴンボールの屈指の名シーンだ。

 レッドリボン軍壊滅後もまだ話は終わらず、見つからなかった最後のドラゴンボールのありかを探すため、亀仙人の姉、占いババの宮殿で、バトルが繰り広げられる。

 と、ここでは黄金のパターンを覆すできごとが起こる。なんと、ヤムチャが名前のあるキャラクターに勝つのである。それまでに勝ったことがある相手といえば無名の雑魚キャラばかり。強いていうなら、ネームドキャラは少女のチチくらいだ。相手は、透明人間のスケさん。名前からして、あんまり強そうではない……。さらに、初の白星を喜ぶまもなく、直後のミイラくんにはコテンパンに負けてしまう。やっぱりヤムチャは負け試合が似合う。ちなみにヤムチャの相棒であるプーアルは、ドラキュラマンに勝っているので、同じ勝ち星数である。切ないよ、ヤムチャ。

 ドラゴンボールの中では、取り上げられづらい「レッドリボン軍編」だが、あらためて読むと完成度の高さに驚いてしまう。

 そしていよいよ次回は、ピッコロ編。最強の敵登場で、バトルマンガの度合いが強くなるドラゴンボールワールド!! それをリアルタイムで読んでいた頃の僕は、そろそろ高校受験が近づいてきて勉強に勤しむ日々が続くのでありました。

●村田らむ(むらた・らむ)
1972年、愛知県生まれ。ルポライター、イラストレーター。ホームレス、新興宗教、犯罪などをテーマに、潜入取材や体験取材によるルポルタージュを数多く発表する。近著に、『裏仕事師 儲けのからくり』(12年、三才ブックス)『ホームレス大博覧会』(13年、鹿砦社)など。近著に、マンガ家の北上諭志との共著『デビルズ・ダンディ・ドッグス』(太田出版)、『ゴミ屋敷奮闘記』(鹿砦社)。
●公式ブログ<http://ameblo.jp/rumrumrumrum/

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