マンガの野島伸司はもっと過激! 『明日ママ』顔負けのハードな子どもたちを描いたマンガ3選!

 単行本の裏表紙には「生きるために、演(の)べる。子役の真実を描く衝撃物語」と記されているが、これが野島氏にとっての“真実”だとすれば恐すぎる。物語の途中までは、演技に開眼したノベルが事務所の最上級クラスに編入し、他事務所の子役との演技合戦を繰り広げるといった、ある意味王道的な展開だったが、突如、スロットで2000万円の借金を作った母親が闇金のボスに調教されたり、誘拐されて臓器売人たちに襲われた友達をノベルがその驚異的な演技力で助けようとするなど、謎の方向にシフト。掲載誌「週刊少年サンデー」(小学館)にこうした急展開のエピソードが載っていた時期が、ちょうど『明日ママ』騒動と重なっていたこともあり、「『明日ママ』の鬱憤をはらしてる」「テレビではできそうにもないことを平然とやってのける、そこにしびれる。あこがれるー」といった意見がネット上では多くみられた。

 ちなみに本作の連載を始めるにあたり、野島氏は「MANTANweb」などのメディアにこうしたコメントを寄せている。

「(前略)僕は価値観の固定した大人達に向けて作る事には抵抗があります。それはあるあるという共感か、よくて鑑賞でしかなく、まだ未完成な情緒に刻み、ずっと忘れられないシーン、セリフ、つまり物語としてその彼、彼女の心に存在する事が出来ないからです。(中略)若い才能ある新人漫画家の吉田君の力を借りて、高いエンターテイメントを目指したいと思っています(後略)」

『明日ママ』の第6話にも、まるで制作サイドの声を代弁しているようだ、話題となった「大人の中には、価値観が固定され、自分が受け入れられないものをすべて否定し、自分が正しいと、声を荒げて攻撃してくる者もいる」という台詞があるが、本作と『明日ママ』は表裏一体の関係のように思えてならない 各方面からの指示でさまざまな修正が施されたと噂される『明日ママ』と、野島氏が思う存分にその持ち味を発揮しているようにみえる本作、この二作を併せて鑑賞すれば、野島氏の目指す“高いエンターテインメント”の方向がわかるかもしれない。

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