――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。
■『スペース☆ダンディ』
第7話「宇宙レースはデンジャラスじゃんよ」
【今週の極私的見どころ!】
ところどころ執拗に入る、アイキャッチの豊富さは、それ自体がギャグとして成立しながら、オシャレ感満載でまさに『スペース☆ダンディ』といったところです。
また、今話は絵コンテを『コードギアス 反逆のルルーシュ』監督の谷口悟朗氏、ゲストメカ原案を『キルラキル』監督の今石洋之氏が務めるなど、相変わらずの豪華ゲスト陣。本作は、こうしたクリエーター陣のエッセンスとお祭り感を楽しむものと割り切ったほうが楽しめるかもしれないですね。
【今週のオススメ度】
★★★☆☆
(前回のあらすじはこちら)
セクシーなウェイトレスを擁するブービーズに通うダンディ(CV:諏訪部順一)。そんな彼の前に、ブービーズの女の子たちを虜にする天才宇宙レーサー・プリンス(CV:梶裕貴)が現れます。なんか体中からキラキラしたものを出してるイケメン!! 女の子の注目を集めるプリンスのことが気に食わないダンディは、宇宙レースに出場してプリンスの鼻を明かしてやることにします! 若かりし頃は、宇宙峠を攻めていたというダンディ。宇宙峠ってなんなんだ……。ミャウ(CV:吉野裕行)は、「この間(第6話)はサーファーとか言ってませんでした?」とツッコミます。『スペース☆ダンディ』は平行世界の話じゃなかったんですね……。
宇宙レースは、ワープやそれっぽい技術は使用禁止のデス・レース! アナウンサーの声はクリス・ペプラーが務めます。そして、レースを争うライバルたちも続々と登場。プリンスは、どう見てもアウトな“夢の国の住人”チュウ(CV:龍田直樹)とハイスペック・ロボのZ(CV:能登麻美子)と、CCH(COOL、CLEVER、HIGH SPEC)なチームで参戦。対するダンディ一行はBAKA、BONKURA、PONKOTSUのBBPトリオとしていざ、勝負!
しょっぱなから最後の手段を使うなど、せこい技を連発して奮闘するダンディの駆るリトルアロハ。一方、ゲル博士(CV:石塚運昇)も、のんびりテレビ中継を見ていた助手によって、ダンディが宇宙レースに参加しているのを発見、乱入待ったなし!
『ギャラガ』風モニターや『ガンダム』みたいなロボとの唐突なバトル(作画は相変わらず高クオリティ)などなど、レースは混乱を極めます。ところどころ入る小ネタに、「『マーズアタック』か!?」「『チキチキマシン猛レース』を思い出した」「『ツインビー』みたいなのがいたw」と、視聴者もツッコミが追いつかないほどのハイスピードレースを展開します。そのほか、『サーキットの狼』や『REDLINE』など、多くのオマージュの元ネタを思い起こす視聴者が多かったようです。
熾烈なレースに脱落者も続出。そんな中、むちゃくちゃをしながら、意外にも健闘をするダンディをライバル視し始めるプリンス。ダンディの“F●ckポーズ”で挑発されたプリンスは激おこ! キラキラも真っ暗になるなど、闇堕ちフラグを立てまくります。
プリンスの動揺を知ったチュウは、ピットインの隙にリトルアロハに爆弾を仕掛けることに。また、ピット作業を担当するミャウは、燃料タンクに栄養ドリンクやシュウマイ弁当やらアホみたいなものを入れまくり。ピットアウト時にはぶっちぎりの最下位となってしまったダンディですが、何度目かの“最後の手段”を使い、首位争いに復帰します。ちなみにゲル博士は自爆して出番終了。なんのために出てきたのか……。
そして、勝負はクライマックス、ダンディとプリンスの一騎打ち! デッドヒートを繰り広げ、お宇宙(そら)でランデブーをする中、プリンスの中で、ダンディに対してある感情が芽生えます……そう、「これこそが恋」……。視聴者らは、お決まりの「アッー!」の大合唱!! そして、2人の宇宙船は第6宇宙速度を超えた結果、第7スペース速度でオカマを掘られてしまいます。そして、爆弾やシュウマイなど、あらゆる偶然の要素が重なり、奇跡が起こるのです。世界を包む圧倒的な光……。全裸空間でダンディは認識すらできない領域に突入してします。ここのあらすじについては、“な…何を言っているのか わからねーと思うが(以下略)”。真面目に書きようがありません。
そして、ダンディは光より速く走り、時を追い越すことで、はるか未来の56億7千万年後の世界に到着。その先でダンディが見たのは、弥勒菩薩となったダンディの仏像だったのです……。「ダン…ディ…」ダンディがそうつぶやき「THE END」! ちなみに、56億7千万年とは、弥勒菩薩が出現する時と言われているそうですよ。
相変わらずの投げっぱなしエンド。視聴者は「良い最終回だった」「神回ならぬ仏回だな!」といった感想のほか、「今回も腹が痛くなるほど、笑わせてもらった」など、おおむね『スペース☆ダンディ』の世界を堪能しているようです。
一方で「わけがわからなすぎる」「今回は詰め込みすぎていて、つまんなかった」「面白いけど、毎回ストーリーは微妙かな……」といった意見も。筆者的には飛び抜けて面白いわけではないけれども、クスリとくるネタも多い娯楽作『スペ☆ダン』にようやく慣れてきました。ふざけ倒すのであれば、カオス感もネタもより詰まった『人造昆虫カブトボーグ V×V』くらい振り切ってもらいたいなぁ、と思います。
いつもどおり唐突に終わりを迎えた今回ですが、はしょられた部分に、ダンディが消えた世界で彼への愛に目覚めたプリンスが、一人煩悶しながらダンディの偶像を作って布教活動をし悟っていくという妄想ストーリーが捗ります。イイハナシダナー。今後、『スペース☆ダンディ』のBL二次創作にも期待ができそう!?
(文/中目黒日向子)
ツッコミどころがあり過ぎて追いつかない!BLにも期待(!?)な『スペース☆ダンディ』のページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、今石洋之、スペース☆ダンディ、渡辺信一郎、ボンズ、谷口悟朗の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
人気記事ランキング
人気連載