壇「鑑定に身長を用いることはないのですか? 骨密度なども」
証人「私自身、低身長の外来をやっていますが、それだけではなんとも言えません。ある程度の幅で、年齢を推定することができますが。骨密度は困難です」
壇「タナー法を日本人に適合するのは一般的でしょうか?」
証人「タナー以外の方法でしたほうがよいという意見は、ありません」
壇「医学書院の『小児科学』という本では、肯定的な記述がなかったのですが」
証人「私は、それを存じ上げません」
壇「その本では、人種も年代も違うデータをそのまま日本人にあてはめるわけにはいかないというようなことが書かれているのですが、それは先生の見解とは違うのですか?」
証人「いえ、その見解は正しいです。しかし、日本人によるデータがありますので」
壇「今回、統計的なデータとして田中論文がありましたが、それ以外に先生が参考にされている論文は?」
証人「藤枝論文であるとか、大山論文」
壇「だいたい、その2つ」
証人「だいたい、主な雑誌でみんなが引用するのは、それくらいです」
壇「田中論文は、信用性が高い?」
証人「子供を選択せずに、すべてを対象にしているので信頼性は高いです」
壇「検察官から示された乳房の資料……これ、タナー3度の到達が上が93か94で止まってますよね」
壇弁護士が証人席の横に移動して、書見台に置いた資料を指し示しながら質問を続ける。
壇「これから先のデータってないんですかね?」
証人「この論文では、調査した年齢が、そこまでだったと、つまり……」
壇「はいかいいえで、結構です。端的に聞いていきます」
証人「はい」
壇「次に、“正常日本人女子における二次性徴の発現時期の範囲”というのを示します。この下に先生がお書きになった『思春期医学臨床テキスト』があります。先生はかなり正直な方だと思います。研究が十分でないので経験に基づく推測を含んでいると書いていますね」
証人「はい。乳房と陰毛それぞれの研究はありますが、乳房と陰毛を相関的な研究が行われていないので、そう書いています」
壇「タナー法では、身長は考慮しないのですね」
証人「はい」
壇「乳房と陰毛は、どちらが優先するのですか?」
証人「どういう目的で利用されるのですか?」
壇「こうした鑑定の場合、乳房が2で、陰毛が3だったりすると、どちらが優先されるんでしょう?」
証人「それぞれのステージから年齢を推測する場合、どちらの場合も、同等の価値があります。しかし、写真による鑑定に曖昧さが残るならば、曖昧でないほうを重視します」
壇「たとえば、片方がわからないとできないというものではない?」
証人「その通りです」
【詳報付き】写実的な少女イラストは児童ポルノか? CG児童ポルノ裁判・第二回公判で問われた定義のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベ、出版業界事情、児童ポルノ法、壇俊光、山口貴士の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
人気記事ランキング
人気連載