「飛撮仕事人!の飛行機撮影の世界」第4回

障害あってこそ燃える恋のよう……日本だから可能な展望デッキでの飛行機撮影

──飛行機マニアとひと口に言えど、その楽しみ方は実にさまざま。機体に乗ることを楽しむファンもいれば、各パイロットのファンにグッズ収集マニア、エンジン音マニアなど、幅広い。そこで、ここでは最も身近な“飛行機写真”の世界を覗いていただこう……。

140212_hissatsu001.jpg羽田空港の第二ターミナル展望デッキ。
もともとフェンス仕様だったが、撮影者への配慮でワイヤーフェンス仕様となった。
設備が整っていて居心地の良い場所だ。


#飛行機撮影を楽しむ場所 ~展望デッキ~

 前回まで飛行機の撮り方を3つに分けて紹介させていただきましたが、撮影というのはそもそも、「自由」の上に成り立つもの。プライバシーやマナーといったことに一定の配慮をすれば、構図や撮影方法は個人の自由そのもの。プライベート撮影においては上手も下手もないので、型にハマらず自分なりの一枚を探求して欲しいというのが私の本音です。

 ……と、独り寂しくキメてみたものの、実は、飛行機撮影において最も自由にならないもののひとつが撮影場所。飛行機という乗り物の性質上、撮影は空港や空港周辺がメインとなります。しかし、空港は当然のことながら警備が厳重。おいそれと機体に近づいたり、空港の制限区域内を自由に動きまわったりすることは基本的にできません。そんな限定された状況下で撮るから面白いとも言えますが、撮影経験のない方にとっては「じゃあ、どこで撮ってるの?」という疑問を持つと思います。そんな撮影場所について、今回は話を進めたいと思います。

 まず、撮影場所として最もオーソドックスなのが、空港にある「展望デッキ」。旅の前に飛行機を見学しようと立ち寄ったことがある方も多いのではないでしょうか。空港にあるので交通アクセスが整っているほか、売店やお手洗いの心配もありません。

 実はこの展望デッキ、外国では設置されているほうが珍しく、設置されていても高いフェンスに囲まれてれていたり、濃い色の入ったガラス越しだったりと、撮影には向かなかったりします。その点、日本の展望デッキは撮影者に配慮された設計のところが多く、外国の愛好家から羨望の眼差しで見られることもあります。今や警備上、安全性の問題から手すりのみのオープンエアという場所は少なくなりましたが、それでもワイヤーフェンスを用いたり、撮影用の窓を設けてくれたりして、どうにか妥協点を見出そうとしてくれているのが特徴。飛行機撮影に興味を持った方が撮影を始めるのに、最もオススメしたい場所です。もちろん、飛行機を見に行くだけでも楽しい場所。航空灯火が様々な色で煌めく夜は、デートスポットとしてもオススメです。

140212_hissatsu002.jpgCANON EOS1D-X EF24-70mm f2.8L USM Ⅱ SS 1/800 f8 ISO200
成田空港第一ターミナル展望デッキより。眼下に駐機する機体を間近に見ることができる。
成田空港など大きな空港で居心地よく機体を間近に見ることができる場所は貴重。



140212_hissatsu003.jpgCANON EOS5D MarkⅢ EF300mm f2.8L USM Ⅱ SS 1/1250 f6.3 ISO100
羽田空港第二ターミナル展望デッキより。
滑走路が見渡せる場所では飛行機の優雅な離着陸シーンも画にすることが可能。
飛行機の行き交う姿を見ているだけでも楽しい場所だ。



igarashi_prof.jpg

●A☆50/Akira Igarashi
フリーフォトグラファー兼グラフィックデザイナー。イカロス出版の発行する「月刊AIRLINE」「航空旅行」などで航空写真の連載記事制作などをおこなうほか、カレンダー撮影、航空会社の広告撮影などを担当。仕事でもプライベートでも飛行機撮影を行う生粋の飛行機好き。写真家として活動するだけでなく、DTP/WEBデザイナーやライターとしても活躍中! ガンダ◯好きだがニュータイプにはほど遠い。

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