新作発表で話題の宮崎吾朗だけじゃない! 他業種から転身を果たしたアニメ監督たち

 反対にまったくの異業種から転身したアニメーション監督も、少なくはない。ラジオ制作会社から転身した押井守(『機動警察パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』ほか)。一般企業から転身したりんたろう(『銀河鉄道999』『幻魔大戦』ほか)。山崎製パンの宣伝部員からアニメーターへと転身、人気キャラクターデザイナー、監督となりながらも2011年に逝去した芦田豊雄(『北斗の拳』『成恵の世界』ほか)。印刷会社の営業からフリーター。そこからアニメ業界に転身した長井龍雪(『とらドラ!』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』ほか)など、妙に個性的な作風の監督の名前が並ぶ。

 その中でも、とりわけ強烈な経歴を持つのが大塚康生だ。『ルパン三世』『未来少年コナン』『じゃりン子チエ』などで、ダイナミックなアクションを描いたアニメーターとして有名だが、『草原の子テングリ』『東海道四谷怪談』などでアニメ監督も務めている氏は、もともと山口県庁職員から厚生省麻薬取締官へと転職。そこからアニメーターとして再転職を果たしている。さまざまな業種での経験があったからこそ、彼らならではの独特の世界観が生まれたのかもしれない。

 またここ最近、注目を集めているのがお笑い芸人から転身したアニメーション監督作品だ。

『TIGER&BUNNY』で一躍注目を浴び、今夏はフルCG映画『聖闘士星矢 LEGEND OF SANCTUARY』公開が控えているさとうけいいちは、お笑い芸人からバラエティ番組の技術スタッフを経てアニメ業界に入ったそうだ。

 そして、『gdgd妖精s』(1期の演出)『手さぐれ!部活もの』など、バラエティ番組的な企画とアドリブによる面白さを追求する作風が特徴の石ダテコー太郎もその一人である。お笑い芸人から放送作家へと転身し、『HEY!HEY!HEY! music champ』『人志松本のすべらない話』を手掛けた後、アニメーション監督としての活動も開始。個性的な作品をコンスタントに発表し続けている。

 このように、アニメーション監督と一言で言っても、さまざまな経歴を持った人々がいることがおわかりだろう。面白い映像を作れさえすれば、キャリアも技術も問わない。そんな懐の大きさが日本のアニメーションの発展を支えたと言えるのかもしれない。

 このように監督のキャリアに注目してアニメを見てみると、また違った楽しみ方ができるのではないだろうか?

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