狙うは「ディズニーの世界戦略」!? 日本テレビのタツノコプロ買収の意図は?

 さて、今回日本テレビにタツノコプロの株を売却したタカラトミー側の発表を見てみると、(外部サイト参照)タカラトミーが保有していた子会社タツノコプロの株式74.3%のうち54.3%を日本テレビに譲渡することで合意し、残りの20%はタカラトミーが引き続き保有する、とされている。また、これを機に日本テレビとの連携を強化し、互いの強みを生かしたキャラクタービジネスを積極的に展開するとしている。つまり、今回の子会社化によって日本テレビとタツノコプロだけでなく、日本テレビとタカラトミーという企業同士の横のラインをも強化された印象すらある。こうした連携が何を生み出すのか?

「日本テレビの狙いは、コンテンツホルダーとしての版権収入でしょう。今回の子会社化によってタツノコ作品の放映権やDVD・ブルーレイソフトなどの権利は日本テレビが持つことになるでしょうが、それだけでなくキャラクター商品はほぼタカラトミー社からの独占販売になりそうで、これは両社にとってWin-Winの状態。また、グッズだけでなく例えばLINEのスタンプなど、最近ではネット上でのキャラクター使用の権利も馬鹿にならない収入が望まれます。

 もうひとつは系列会社によるタツノコ作品の動画配信でしょうか。特に昭和時代のオールド・タツノコキャラクターは、日本はもとより海外でも知名度・人気の高い作品が数多く存在しています。日本テレビは自社の『日テレオンデマンド』に加え、『ニコニコ動画』の親会社であるドワンゴの株式も保有しているため、こうしたプラットフォーム上で新旧タツノコ作品をワールドワイドな規模でアーカイヴとして配信していって、アニメの人気が高まったタイミングで海外へタカラトミー製の玩具やキャラグッズを売り込むこともできますよね。つまり、ディズニーの世界戦略と同じようなビジネスモデルが期待できるのです」(ホビー雑誌編集者)

 先に、本サイトでもお伝えしたAICの株式譲渡騒動(参照)など、近年のアニメビジネス界においては作品制作よりも二次的な権利の使用権獲得をめぐる動きが熾烈になりつつある。パチンコ会社やソーシャルゲーム会社の出資を受ける会社も少なくない中、日本テレビという大きな支えを得たタツノコプロには、新たな思いで作品制作に集中していただきたいところ。

 すでに日本テレビの朝の情報番組『ZIP!』内で4月から『ハクション大魔王』のミニコーナーが放送されることが発表され、また深夜アニメながらスマッシュヒットした『ガッチャマン クラウズ』については続編だけでなく劇場映画化も視野に入れ動いているという。

 創立50年の節目を越えた今年、「世界の子供たちに夢を」を掲げた創立者・吉田竜夫の名を冠した竜の子=タツノオトシゴから巨大な竜へと成長し、より大きな世界へと向かって雄飛できるのか、どうか? 同社の今後に期待は尽きない。
(取材・文/出口ナオト)

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「販売:VAP」が多くなるんですかね?

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