もはや“なんでもあり”!? テンプレ展開ながらも、振り幅の広さを見せつけた『スペース☆ダンディ』

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『スペース☆ダンディ』
第5話 「旅は道連れ 宇宙は情けじゃんよ」

1402_spacedandy5.jpg『スペース☆ダンディ』公式HPより。

【今週の極私的見どころ!】
 ダンディまじダンディ……。今回は、主人公・ダンディ(CV:諏訪部順一)が第5話にして初めてダンディな姿を見せ、視聴者からの評価がストップ高! ギャグからシリアスまで、本作の引き出しの多さを感じさせる回でした。

 それを下支えするのは、なんといっても劇中で流れるBGM。特に白眉だったのは、挿入歌「知りたい」(泉まくら×mabanua)。歌い手の泉まくらさんと菅野よう子さんが作曲を務め、音楽プロデューサーやプレイヤーとして活躍するmabanuaさんが編曲を手がけた本曲は、ロードームービーを彩るメロウなヒップホップとして、見る者の胸に迫ります!

【今週のオススメ度】
★★★★☆
(前回のあらすじはこちら)

 今回、宇宙人ハンターのダンディが狙うのは、名うてのハンターを返り討ちにしてきたジェンツー星人。少女の風貌をしたジェンツー星人のアデリー(CV:花澤香菜)は、出会うなりダンディに攻撃を加えてきます。ジェンツー星人は、自身の触手で触れた生物の心をぬいぐるみに移し替える能力を持っており、ダンディは精神をぬいぐるみに移されてしまいます! しかし、そんな細かいことを気にしないダンディは、アデリーをあっさりと捕獲。時間制限のある能力なので、ダンディの精神も無事元の身体に戻ってきます。

 ちなみに、アデリーの声を担当した声優・花澤香菜さんは、ほかのアニメにもかなり出演しているため、ネットでは「また、ざーさん【注:花澤さんの愛称】か!」「相変わらず出すぎ!!」などと言われていました。そういう筆者も、今週だけで何度その声を聞いたかわかりません……。ただ、特徴のある声質ながら、キャラによって演技を使い分けているのはさすがでした。今回はロリキャラということで、歓喜するファンもちらほら。

 さて、アデリーを捕まえ、意気揚々と宇宙船アロハ・オエ号へと戻るダンディ。しかしなんと、アロハ・オエ号は駐車違反でレッカー移動されていました! 罰金を払わないとアロハ・オエ号を動かせない、罰金を払うには宇宙人登録センターでアデリーを登録して報奨金を得なくてはいけない……ということで、ダンディとアデリーは電車を乗り継いで宇宙人登録センターに行くこととなります。

 アデリーは取り引きとして、彼女が指定する場所を経由すれば、宇宙人登録センターに行くことを快諾(?)。こうして、2人は、『銀河鉄道999』っぽい電車に乗って、一路宇宙人登録センターを目指します。

 当初は反目しあうダンディとアデリーですが、旅を続けるにつれ徐々に打ち解け合っていきます。ロードムービー風に、2人の間に優しい時間が流れます。

 そして、たどりついたアデリーの指定場所は、ある惑星のマンション。なんでもシングルマザーであった母をなくしたアデリーは、小さい時に会ったきりのおじいちゃん(CV:大木民夫)を探していたのでした。しかし、たどりついた先にはすでにおじいさんの姿はなく……。

 おじいちゃんに会えず傷心のアデリーをよそに、「ブービーズに行く」と言い出すダンディ。寂しさから慰留するアデリーを置いて、ダンディは外に出て行ってしまいます。しかし、ダンディはアデリーのおじいさん探しに奔走するのでした。これを受けて、ネットでは「ダンディが初めてダンディだ!」「かっこいい!!」と大絶賛。

 次の日の朝、駅へと向かう2人。しかし、疑心暗鬼となっているアデリーは、ダンディが自分を見捨てるのだと勘違いし、ダンディの精神をヌイグルミに入れて走っていってしまいます。ひとり悲しみに暮れるアデリー。そんなアデリーを、かつて彼女に恥をかかされたという宇宙人ハンターが襲います。

 ダンディが呼び寄せておいたアデリーのおじいちゃんの協力もあり、ハンターを退治。アデリーは無事、おじいちゃんとの再会を果たします。アデリーにおじいちゃんと一緒に住むことを薦め、別れを告げるダンディ。アデリーは「いつかアロハ・オエ号に乗せて!」と懇願します。その願いに対し、「パイオツがでかくてケツがプリっとした女ならな」と去っていくダンディ。アデリーはダンディの去っていったほうを見つめながら、「私、急いで大人になる。もう、全速力で」とつぶやくのでした。ちなみに、筆者はこのシーンで『時をかける少女』の「すぐ行く。走って行く」を思い出しました。



「毎回何するかわからないから面白い」「こんなのダンディっぽくないけど、良い!」と、ネットでの評判は上々。今回はいつものスラップスティックコメディから振り切ってしんみりと見せる小編で、今までの『スペース☆ダンディ』とはまったく違うテイストに。しかし、この“なんでもあり感”が本作の魅力なのかもしれません。

 今回の脚本は、『コードギアス 反逆のルルーシュ』『革命機ヴァルヴレイヴ』などを手がけた大河内一楼さんで、同氏の手腕を評する声も聞かれました。展開自体ははっきり言ってテンプレート展開そのものでしたが、ダンディとアデリーの間に流れる空気感が素晴らしく、安心して見れる回といった印象です。

 さて、来週は「人は裸になった時にどこを隠すべきなのか?」という問いに挑んだ哲学的巨編「パンツとチョッキの戦争じゃんよ」だそうで、そう、バカ回ですよ!! 前回のゾンビ回ばりのやりたい放題を期待しましょう!!
(文/中目黒日向子)

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