アニメの関連では『紙兎ロペ』で共同監督などを務めた青池良輔さんや『Peeping Life』の森りょういちさんも、同市内にスタジオを構えている。テレビシリーズなどの制作会社では、12年にぴえろ福岡分室が閉室となったが、一方で08年に『東京ゴッドファーザーズ』などに撮影監督として参加していた須貝克俊さんの下、九州アニメーションが設立され、数々の作品に原画などで参加している。ちなみに現在放送中のアニメ『世界征服~謀略のズヴィズダー~』でもキャラクター原案を担当しているイラストレーターの黒星紅白さんも同市在住ということが知られている。マンガ家でも同市出身者は多いが、最近では『進撃の巨人』の諫山創さんが九州デザイナー学院の卒業生であることでも話題を呼んでいる(出身は大分県日田市)。
このほかにも福岡市におけるアニメやマンガに関する類例を挙げていくことは可能だが、先述のようにゲームに関しては他の自治体より突出したケースに育っているのが特色になっている。
エンターテインメント業界に限らず福岡市の利点が語られる理由にはいくつかあるが、中でも「空港の近さ」が挙がりやすい。福岡空港から博多駅まで市営地下鉄でわずか5分と、他の地方より圧倒的に中心部へのアクセスが良いためだ。加えて11年の東日本大震災後は、災害時のリスク分散としても候補地として最有力になる傾向にある。同年は実際に『グランツーリスモ』で知られるゲーム会社のポリフォニー・デジタルが、福岡アトリエを新設したことでも注目された。
他方、同じ福岡県内でも、北九州市のマンガを中心とした施策への関心も高まっている。12年にオープンした「あるあるCity」は、北九州市漫画ミュージアムや各種ショップが集積されたビルとして誕生した。
エンターテインメント業界において、その存在感を増し続ける福岡地区。同地区が今後の未来図をどのように描いていくのか楽しみだ。
(文/真狩祐志)
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