“ゾンビ”パロディで大好評!! 『スペース☆ダンディ』の一話完結スタイルは伏線か!?

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――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー！　これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『スペース☆ダンディ』
第4話　「死んでも死にきれない時もあるじゃんよ」

『スペース☆ダンディ』公式HPより。

【今週の極私的見どころ！】
“ゾンビあるある”や小ネタを盛り込んで、全力で笑いを取りに来たゾンビ回。「QT(CV:佐武宇綺[9nine])はロボである」「ミャウ（CV:吉野裕行）はいつもひどい目に遭う」といった、キャラ設定や『スペース☆ダンディ』のお約束をギャグに活用していて、非常に笑える回になっていました！

　ツイッターでダンディ役の声優・諏訪部順一さんが「ぜひ第4話まではお付き合い頂けるとありがたい」と綴っていましたが、4話になって『スペース☆ダンディ』の歯車がガッチリ噛み合った印象です。

【今週のオススメ度】
★★★★☆
(前回のあらすじはこちら)

　宇宙人ハンターのダンディ一行は、登録済みのスティルトン星人によく似た宇宙人を捕獲。しかし、どうも登録されている情報と微妙に違うような……？　すると、件の宇宙人にミャウが噛まれてしまいます。それ以降、明らかに顔面蒼白で様子がおかしいミャウ。「あー」とか「うー」しか言いません。

　風邪を疑い、ギャラクシー病院を訪れるダンディたち。検査結果によると、ミャウはどう考えても死んでいる状態だとか。とりあえず入院をして治療を試みることに。一方、ダンディはミャウそっちのけで、ナイスバディな看護婦に大はしゃぎ。……実はミャウはスティルトン星人（ゾンビ）に噛まれたことで、ゾンビになってしまっていたのでした。そして、ミャウが看護婦を襲ったことで、院内ではゾンビのパンデミック（大規模感染）が起こってしまいます！

　血塗られ荒廃した病院。しかし、ナースがゾンビとなったことにまったく気づかないダンディ。ネットでは、「ダンディってバカなの？」という声も……。ここまで抜けているとある意味、大物です。ちなみに、ゾンビ化したナースのおっぱいが無駄に揺れるという、制作者の気概を感じるカットもありましたが、『スペース☆ダンディ』はこういう“誰得エロ”が好きですね！

　その後、ロボのQTや、傭兵部隊と共に病院を襲撃していたゲル博士（CV:石塚運昇）らも、みんな揃ってゾンビに!!　屋上に逃げおおせたダンディは、飛来したヘリに乗って脱出を図ります。「QT、ミャウ、お前たちのことは忘れない。アディオス・アミーゴ」と颯爽と去っていくダンディ。しかし、ヘリのパイロットもゾンビとなっていたため、ダンディもあえなくゾンビとなってしまいます。というか、ヘリを操縦できるなんて、知能があるゾンビなんですね……。

　そんな“ゾンビ事件”から数カ月がたった宇宙船アロハ・オエ号。昇る太陽と共に「ゾンビの朝は早い」と、ダンディ一行（ゾンビ）も活動を開始します。ゾンビから人間に戻る術を模索するも、そんな方法があるわけもなく、無性に食べたくなる生肉、絶望、生肉、絶望……を繰り返す日々を送る一行。ナレーション（CV:矢島正明）がいい味効いてます。

　困り果てたダンディは、冒頭のスティルトン星人（ゾンビ先輩）に教えを請います。なんでもヨーグルトを食べると、ゾンビながら体調が良くなるそう。ダンディたちはここで乳酸菌のスゴさに気づき、「俺たちは腐ってるんじゃない　発酵しているんだ」と、心を前向きなものに入れ替えるのです。

　そんなこんなでゾンビライフを満喫するダンディ一行。広い宇宙では、ゾンビだからといって差別されることもありません。保険会社に雇われた凄腕のゾンビハンターが現れたりしながらも、急速な速度で宇宙社会に浸透していくゾンビたち。ついには、ロボットを含め、生きとし生けるものすべてがゾンビになって平等な存在となるのでした……。ダンディ一行が鑑賞した映画のクレジットでゾンビ映画の大家、ジョージ・A・ロメロの名が映し出され、お決まりの「つづく」で〆。

「今回も最高だった」「腹よじれるほど笑った」と、ネットでは賞賛の嵐。すでに心を鷲掴みにされていたファンはもちろんのこと、 「今までで一番面白かった」「初めてスペースダンディが面白かった」といった声があったように、筆者同様今まで『スペース☆ダンディ』がピンと来ていなかった層も満足の出来だったようです。パロディとして、題材の料理の仕方が上手だという印象を持った回でした。

　そして、案の定何事もなかったかのように流れる次回予告。大方ギャグと思われていますが、「毎週何事もなく戻ってるのも伏線では？」と予想する意見も散見されました。なるほど、確かにこれまでの話がパラレルワールド、平行宇宙のお話というのも、SFをうまく利用したネタかもしれません。もしかしたら、ゴーゴル帝国がダンディを追う理由にもかかわってくるのでしょうか……？　今後、一話オチのコメディからのどんでん返し的展開も期待出来ます！

　ちなみに、今回は久しぶりにペリー閣下（CV:銀河万丈）による“おしおきだべー！”が発動！　できれば、個人的にこのクダリは毎回入れてもらいたいです。やっぱりお約束は良いものですからね。
（文／中目黒日向子）