「一話完結で見やすい」と、中毒者を増やす『スペース☆ダンディ』今後の課題は？

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――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー！　これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『スペース☆ダンディ』
第3話　「騙し騙される事もあるじゃんよ」

『スペース☆ダンディ』公式HPより。

【今週の極私的見どころ！】
　やっぱり岡村靖幸さんのOPテーマ「ビバナミダ」は名曲！　OPでは、ポップなダンスナンバーがビビッドな映像と相まって、期待感が高まります!!　あとは本編が面白くなってくれれば言うことなしなんですが……。。

【今週のオススメ度】
★★☆☆☆
(前回のあらすじはこちら)

「不認可」「不認可です」「不認可」……。

　すげなく申請を却下し続ける宇宙人登録センターの検査員・スカーレット（CV:桑島法子）。宇宙人ハンターのダンディ（CV:諏訪部順一）は、そんな彼女の元へ変装させたミャウ（CV:吉野裕行）を“未確認の宇宙人”として連れていくも、あえなく看破されてしまいます。

　結局今回も報酬金は手に入らず、相変わらずスカンピンのダンディ一行。アロハオエ号に戻った一行に掃除機ロボット・QT(CV:佐武宇綺[9nine])が供したのは、見るからにまずそうな宇宙食……。なんでも宇宙の果てにあるギャラクシー通販で取り寄せた宇宙食だそうですが、1万光年先から届けられたため、軒並み賞味期限切れの毒物と化していました。

　我慢ならんとダンディはブービーズに行くことを決意。お金はなくとも満タンのポイントカードを携え、いざブービーズへ！　しかし、ポイントカードの期限は本日まで。ポイントカードが失効する前に大急ぎでワープを試みますが、焦りの余りワープボタンを連打！　すると、警告画面が一昔前のブラクラ並に出現して、ワープホールに飲み込まれてしまいます。

　ハチャメチャなワープの末、たどり着いたのは荒野が広がる惑星。それでもダンディは、「この惑星にも隠れ家的ブービーズがあるかもしれない」と探索を開始します。そこへ、キモい宇宙人・ラーギ星人に追われ助けを求める女の子・マミタス（CV:竹達彩奈）が登場！　たわわに実る豊満なバストが眩しい!!　「くぱぁ」と割れた口から触手が飛び出すラーギ星人に、ネットでは「卑猥な宇宙人だなぁ」との声が。ちなみにこの宇宙人デザインは、イラストレーター・寺田克也さんによるもの。相変わらず豪華なクリエーター陣です。ともあれ、なんとかキモ宇宙人たちから逃げ出した一行。ダンディとミャウは、ボンキュッボンでキュートなマミタスに、デレデレとなってしまいます。

　一方、ダンディを追ってきたゲル博士（CV:石塚運昇）。ゴーゴル帝国の支配者・ペリー閣下（CV:銀河万丈）いわく、「ダンディを手中に収められれば、この宇宙は我がゴーゴル帝国のもの同然」ということですが、まったくそんな風には見えない……。しかし、この惑星には、すべてを食いつくすめちゃくちゃ怖いエイリアン・デスゲリア星人がいるとのこと。「宇宙で一番食べられたくない宇宙人」12年連続1位に輝いたデスゲリア星人の姿は、紛れもなくマミタス！　おめおめと今週も撤退するゲル博士。またしても「お仕置きだべ～」がなかったのが寂しい。

　そんな中、ダンディは先のグロエイリアン・ラーギ星人に「この惑星から早く逃げろ」と忠告を受けます。実は彼（？）らは良いエイリアンだったのです。かたや正体を現すデスゲリア星人のマミタス!!　ミャウを襲い、一飲みにしてしまいます。ちなみに、マミタスの変身シーンでがっつり乳首が映っていましたが、謎の光とか入れなくて大丈夫なんでしょうか!?　視聴者からは「今期いちばん嬉しくないおっぱい！」などと呼ばれていたので、性的興奮を喚起しないということで大丈夫なのでしょう、多分。

　マミタスに食べられてしまったミャウ（が持っているブービーズのポイントカード）を救うため、ダンディが立ち上がる！　宇宙船を変形させ、アロハを着たロボットに変身！　マミタスと死闘を繰り広げるも、戦況は不利。戦闘シーンは相変わらずの高クオリティです。闘いながらも、破損した宇宙船から飛び出したものを全部食べつくすマミタス。その中に含まれていた消費期限切れの宇宙食を食べたことで、さすがのマミタスも食あたりを起こしたようです。ここに勝機を見出したダンディは、マミタスの口の中にありったけの宇宙食をねじ込み、見事勝利！　“金田パース”チックな勝利のポーズでキメ!!

　晴れて、捕獲したデスゲリア星人を審査センターに持ち込み、ダンディは9万9000ウーロンの報奨金をゲットします（ウーロンはお金の単位。『カウボーイビバップ』と同じ通貨単位）。しかし、「（ブービーズのポイントカード以外に）なんかほかにも失ったような……」とQT。宇宙船にミャウの姿はなく……「つづく」！

「やっぱり投げっぱなし」「来週も（ミャウは）普通にいるんだろ」と、視聴者もだいぶ『スペース☆ダンディ』のテイストをわかってきたみたいです。「こういう軽いギャグアニメがあまりなかったから良い」「世界観に慣れると楽しめるかも」など、徐々に中毒者を増やしているよう。

　そのほか、「一話完結で見やすい」「昔はこういう投げっぱなしのアニメが多かった」という意見も。確かに2000年代以降、一話完結のコメディは“日常系”が一世を風靡。一話完結型SFコメディは今や稀有かもしれません。かつては『うる星やつら』に『モジャ公』、『YAT安心！宇宙旅行』など、鉄板系のジャンルではあったのですが。

　しかし、筆者的には乗りきれず。というのも、ダンディを始めとしたキャラの魅力が薄いように感じます。ダンディは、もちろんギャグなのでしょうがダンディな部分がまったく見えず、ただの軽～い好色魔にしか思えず……。ミャウは一部のケモナーに受けているようですが。本作は2クールということなので、今後、長尺を生かしたキャラの掘り下げやぶっ飛んだ新キャラの投下に期待したいところ。本筋的なゴーゴル帝国との因縁で、ダンディの意外な一面も見えてくるかもしれません。

　ダンディを演じる諏訪部順一さんが、自身のツイッターで「ぜひ第4話まではお付き合い頂けるとありがたい」とおっしゃっている第4話を楽しみに待ってます!!
（文／中目黒日向子）