大手ボカロ情報サイト「初音ミクみく」が昨年末に更新終了 個々人の情報受発信の行方は?

1401_mikumiku.jpg『初音ミクみく』のHPより。

 大晦日から元旦にかけての年越し、数々のテレビ番組やイベントで盛り上がる中、「超卒業」として個人ブログ「初音ミクみく」が更新を終了した。

「初音ミクみく」が開設されたのは2007年09月25日。同サイトの誕生は「初音ミク」の誕生日の約1カ月後で、「初音ミクニュース」と並ぶ大手ボーカロイド情報サイトとして知られてきた。「出た!」の書き出しから始まる見出しが特徴的だったため、ボカロシーンを追ってきたファン以外でも、目にしたことがある人は多いに違いない。最終のエントリーには「超卒業」の挨拶と共に、およそ6年半の更新で公開した記事数は1万6900件、タレこみ数は6792件以上と記されている。

 今や人気曲がカラオケに登録され、ランキングの上位を占めるなど、すっかりボカロはポピュラーになった。昨年でも、40mP feat.GUMIの「少年と魔法のロボット」がNHKの『みんなのうた』に登場したり、東京都武蔵野市の藤村女子中学・高等学校の普通科で音楽の授業に取り入れられたりと話題が尽きない。「初音ミク」を産んだクリプトン・フューチャー・メディアのある札幌では、さっぽろ雪まつりに合わせた「雪ミク」ことSNOW MIKUのイベントが開催されるなど、地元でも愛されている。

「初音ミクみく」の最終のエントリーには、コメント数も4万8583件以上と記されている。それ以降、コメント数は同サイトの終了を惜しむ人、感謝を伝える人の数に変わっている。最終のエントリーの直前には「ボカロ夜話」と題されたエントリーが記されている。先を見越したようにも見える演出が心憎い。

 一方、昨年はボカロ情報を含め圧倒的な記事リンク数を誇り、01年から毎日更新されていた個人サイト「カトゆー家断絶」の終了も大きな反響を呼んだ。こうした個人の大手情報サイトの更新が終了する度、ユーザーが情報を収集するメディアの変遷とその要因についても語られることが多い。

 この10年を振り返ると、情報を受発信するメディアは、はてなアンテナ、はてなブックマークやRSSリーダーから、現在のツイッターやFacebookといったSNSに至るまで広範に広がっている。こうした一連の流れの中で、ひろゆきさんが一部の「2ちゃんねる」まとめブログについて引用を禁止した“事件”もあったが、それらのサイトはSNSからの情報も代用することでいまだ影響力を保っている。

 それは同時に、すでに個々人が情報の発信者として機能するようになっていることも意味している。「Togetter」や「NAVERまとめ」などのように個々人が気軽に扱えるキュレーションサービスも人気だ。とはいえ、今後もまだ見ぬ画期的なサービスの登場により、この趨勢がガラッと変容してしまうことも想像に難くない。オタク系情報を扱うメディアが今後どのように変化していくのか? その動向を見守りたい。
(文/真狩祐志)

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