「服とは何か？」展開は地味ながらも内容が詰まった『キルラキル』13話

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――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー！　これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『キルラキル』
第13話 「君に薔薇薔薇…という感じ」

『キルラキル』公式HPより。

【今週の極私的見どころ！】
　なんかさらっと描かれてるけど、まさかの鮮血（CV:関俊彦）がバラバラになってしまう展開。

　あと、うすうす気づいていたけど、キルラキルのBGMが秀逸。今回で言えば、満艦飾マコ（CV:洲崎綾）と美木杉愛九郎（CV:三木眞一郎）が会話を交わすシーン。このピアノ曲、以前もバンバン使われていたはずだけど、今回はなぜかものすごくいい感じでした。

【今週のオススメ度】
★★★☆☆
（前回のあらすじはこちら）

　2014年最初の回は、「壊惨総選挙」「塔主頂上決戦」ときて「三都制圧襲学旅行（さんとせいあつ・しゅうがくりょこう）」から始まりとなりました。

「三都」とは本能字学園の全国支配に残された京都、大阪、神戸の関西3都市。流子に敗けて無星へと転落した四天王が復活。裁縫部部長・伊織糸郎（CV:うえだゆうじ）による襲学旅行用の特殊極制服も完成して、本能字学園生徒会傘下の生徒たちは着々と襲学旅行の準備中です。

　一方その頃……父の仇である針目縫（CV:田村ゆかり）との戦いの中で我を忘れ、神衣・鮮血を暴走させてしまった流子は、「制服着るの怖い病」をこじらせ、日がなパジャマのまま布団に潜って時間を過ごす日々でした。

　そんな流子のもとに、学園批判記事を書いたカドで登校禁止になった元新聞部部長・凪田信二郎（CV:岡本信彦）がやってきます。敢然と鬼龍院皐月（CV:柚木涼香）の学園支配に立ち向かった流子に励まされたという凪田は「そのセーラー服を着てもう一度戦ってくれ！」と流子に迫ります。しかし、意気消沈していた流子は、「帰ってくれ」と凪田を追い返すのでした。

　さらに一方その頃……皐月は、リボックス社のCEOであり自身の母でもある鬼龍院羅暁（CV:朴ロ美[ロは王へんに路]）を訪ね、「襲学旅行」の報告をします。そこで、本能字学園による全国学園支配計画が明かされるのでした。それは、全国支配の暁には、リボックス製の制服を日本中に行き渡らせ、「裸の猿」をあぶり出す、というもの。多分、「裸の猿」って、美木杉や黄長瀬紬（CV:小西克幸）のヌーディスト・ビーチのことですよね、多分。関西には彼らの本拠地があるのでしょう。

　さて、翌日。本能字学園では凪田がマコを巻き込んで、アジ（アジテーション：宣伝）を始めます。速攻で風紀委員に見つかって追い掛け回される凪田ですが、“なぜか”流子のところへと逃げ込みます。風紀委員にとらえられボコボコに制裁されてしまう凪田。そこで、流子は自分に勇気を与えられたという凪田のため、とうとう鮮血を着るのでした。流子は「武滾流猛怒（ぶったぎるモード）」で凪田をとらえていた風紀委員をあっさり倒しますが、そこに凪田の不気味な笑いが響きます。

　凪田が顕にした正体は、なんと針目縫。ふたたび、流子と針目が向かい合います。ところが、またも流子は敗北。しかも今度は、鮮血が片太刀バサミでバラバラに。なんてこったい！　「君に神衣を着る資格はないよ」と言う針目が流子の命にとどめを刺そうとするその時、皐月が現れて「なぜ（お前が）ここにいる」と針目を止めるのでした。

　皐月は、気を失った流子にひとつを残して、バラバラ（薔薇薔薇）の布切れになった鮮血を裁縫部部長・伊織に渡し、鮮血の布切れを適任者に配れと命令します。うーん、神衣の適任者がほかにもいるらしい……。また新キャラが出てくるのか……。

　夜の本能字学園では、とうとう襲学旅行の襲学旅団が出発準備を整え、関西へと出発。旅行の準備作業をさせられていたマコもどさくさに紛れて関西へのトラックへと詰め込まれてしまうのでした。

　次回は「急げ 風のように」来週は関西ですよ。流子は東京に残ったままだし、マコ無双でしょうか。望むところです。

　今回は、前半は実にタンパクに進んだんですが、後半でまさかの鮮血がバラバラになったり、羅暁が「服とは何か？」と話をしたり、謎の単語「カヴァーズ」が出てきたり、地味なようで割と詰まった回でした。なんか意味深な発言がやたら多い作品なので、いちいち追い掛けるのが大変ですね。

　ネットでは、戦維喪失されてしまった流子が下着姿だったのが残念だったようで「針目は無能」との声が。たしかに、もう一枚くらい斬ってくれてもよさそうなものです。
(文／尾野スミ)