マンガライター・小林聖が行く! ウェブ×マンガの現場 第2回

「“あって当たり前”のサービスを作っていくべき」編集長が語る「Dモーニング」の哲学と挑戦

吉村 まあ、できないことはないですよね。

島田 できるよ。それよりもさ、普通の読者とか作家さんが「え? なんでやんないの? やって当たり前じゃない?」って思ってるサービスが実現できてない、ってことに何かを感じたほうがいいんじゃないの? 俺、それを提供できないでおいて「マンガが売れなくなってきた」って、「何言ってんの?」って思うんだよな。あって当たり前のものを作っていくべきなんです。でも、それでいうと、実は週刊誌って「あって当たり前ではない」んです(笑)。

――さらに、出来た雑誌を物理的に全国に運んでますからね(笑)。

島田 ふと我に返ると、本当ビックリするもん。「なんで毎週できてるんだろう?」って(笑)。こんな、あって当たり前でないものをやってるんだから、なんだって“あって当たり前”なんだよ。

――しかも、好き好んで休みのときまで増刊を出しちゃって(笑)。ちなみに、ちゃんと年末年始とか休みは取れてますか?

吉村 大丈夫です。ちょっとやせたくらいです。

――じゃあ、大丈夫ですね(笑)。

島田 実際、きれい事みたいになっちゃうけど、描いてる作家さんが一番大変なんだから。しかも、彼らはそれを苦しみながらも当たり前と思って淡々とやってるんだから。これだけものすごい仕事してる人たちがいるわけだから、それに比べれば俺たちの仕事なんて、それを送り出すだけの作業じゃない。“紙で週刊”なんてすでに人間業と思えない仕事してるんだから、大丈夫だよ! なんだって出来るよ!

――いやぁ、電子に「Dモーニング」があることが、すごく頼もしく思えますね。ぜひ今後も新しい「当たり前」を作っていっていただければ。ありがとうございました。
(取材・構成/小林聖)

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■小林 聖
フリーライター。マンガ専門サイト「nelja」編集長。年間のマンガ購入量はだいたい1000冊ほど。専門はラブコメ・恋愛マンガ全般。ツイッターアカウントは@frog88。

【マンガライター・小林聖が行く! ウェブ×マンガの現場 バックナンバー】
・第1回 「となりのヤングジャンプ」(集英社)前編後編
・第2回 「Dモーニング」(講談社)前編

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