マンガライター・小林聖が行く! ウェブ×マンガの現場 第2回

「“あって当たり前”のサービスを作っていくべき」編集長が語る「Dモーニング」の哲学と挑戦

■今は“あって当たり前”のサービスがない 不況が叫ばれるマンガ業界でなすべきこと

吉村 ただ、案外、紙と電子の同時発売ってハードルが高いんです。今、「アフタヌーン」もお付き合いのある全電子書店で、紙と電子の同時発売をやっているんですが、他社さんではまだやってないんですよ。

島田 え、他誌はやってないの? なんでなんだろうね?

大竹 ……まぁ、現場としては「あ、あぁ……(納得)」って感じですけどね(苦笑)。

吉村 他社さんに取材したところ、「同時発売は時間が足りない」って言ってましたね。

大竹 さっき吉村が「いろんなところが泣いてる」と言いましたが、例えば電子書店さんも泣いてるんです。登録作業とかも時間がかかってしまうので、そこを調整しながらデータを作って渡して、配信を手配してもらっているわけです。

島田 ただね、読者にとって、そんなことは関係ないんだよ。他誌の作家さんと話しててすら「『Dモーニング』っていうのがあって、雑誌でこの形をやってるのはうちだけですよ」って言うと、「なんで? こういう時代だし、週刊誌ならやってると思ってました」って言われることがあるんです。

――雑誌という媒体は電子に合っていると思うんですが、電子書籍って今は単行本の市場ですよね。それは不思議です。各部署がタフに鍛えられないと、まだ無理なんでしょうね。

島田 だけどさぁ、そんなこと言うけど、週刊誌っていうものが冷静に考えたらそもそも尋常じゃないんだから。毎週マンガ載せるんだよ? もし週刊連載マンガってものが存在しない世界で「マンガの週刊誌ってのを出してみようか」って言ったら、狂気の沙汰だと思われるよ。そんなとんでもないことすでにやってるんだから、なんだってできるって。

一同 (爆笑)

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