マンガライター・小林聖が行く! ウェブ×マンガの現場 第2回

「“あって当たり前”のサービスを作っていくべき」編集長が語る「Dモーニング」の哲学と挑戦

――つまり、“雑誌”の役割ですよね。単行本のばら売りだと横には広がらない。

島田 そうなんです。「Dモーニング」でも、「これまで単行本派だったけど、読んでみたら全然違うものがあって驚くほど面白かった」とか、「雑誌の形でなかったら、まず自分の好みからして絶対読まなかったんだけど、読んでみたらハマった」とか、そういう声は実際たくさんある。雑誌って、そのためにあるものだよね。

――そういう意味で、この間出された「Dモーニング」の新人増刊は面白いですよね。新人増刊を紙の雑誌で出すと、ものすごく部数が少なくなる。あれが、ほぼダイレクトに「Dモーニング」の読者層に届くっていうのはすごいですよね。

島田 まったくその通り。「Dモーニング」の新人増刊号は、このクオリティであれば、紙で出すこともできたと思うんです。だけど、その場合の実売部数よりは、「Dモーニング」で出すほうがはるかに多くの読者にリーチする。今回の新人増刊は、読者からの支持で、もう4本も連載を決めましたから。

――そうやって新人増刊が出たり、年末年始も休まず更新があったりするわけですが、作業的にはかなり大変なんじゃないですか?

島田 大変大変。ただ大変なんだけど、すごく大事なのは編集部としては(作品を)出したいわけなんですよ。読者をつなぎとめるために無理やり作るってわけじゃなくて。これも雑誌のものすごく本質的な原点ですけど、何よりこっちが出したくてたまんないもの以外、出す意味がないんですよ。労働量は増えるだろうけど、編集部員は嬉々として作ってますよ。まぁ、俺は編集長だから見てるだけだけど。

一同 (爆笑)

島田 出したくてしょうがないので、年に何回でもやりますよ。

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