マンガライター・小林聖が行く! ウェブ×マンガの現場 第2回

「“あって当たり前”のサービスを作っていくべき」編集長が語る「Dモーニング」の哲学と挑戦

1401_dmorning2.jpg「週刊Dモーニング」2014年6号の表紙。

――出版社が運営するウェブ媒体、kindleをはじめとした電子書籍店舗に、スマホ用アプリ……。インターネットの普及とともに、マンガのありよう、マンガをめぐる環境も変わってきている。紙で培われたマンガ文化が、ウェブと出会うことでどう変わっていくのか? マンガライターの小林聖が、ウェブマンガの現場にいる人々にインタビューを行いながら、ウェブとマンガの未来を探っていく。

【第2回】「週刊Dモーニング」(講談社)
前編はこちら

 前編では、ビジネスモデルとしての「Dモーニング」の現状を確認していった。それでは、その「Dモーニング」の舞台裏はどうなっているのか? 後編では、「Dモーニング」を支える実作業とその哲学について、話を聞いていった。

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■“雑誌”としてショーを見せるということ 新人増刊号を「Dモーニング」で配信する意味

――先ほど島田編集長は、“雑誌”としては極端な話、毎週新連載をやればいいとおっしゃってました。物理的な制限の少ない電子であれば、やろうと思えば1号の中にもっとたくさんのマンガを載せることは可能ですよね?

島田 連載本数が多くなって、1週で読み切れなくなっちゃうとダメなんですよ。「この中から好きなものだけ選んでください」だと、雑誌じゃなくなっちゃう。今、無料のマンガ媒体がたくさん出てきていて、あれはあれでひとつのプラットフォームとしてすごく有効な形なんだけど、基本的に(「Dモーニング」とは)まるっきり違うものなんです。無料マンガ媒体はコンテンツを見せるための窓口なんだろうけども、「モーニング」&「Dモーニング」というのは、“雑誌”として、“ひとつのかたまり”として、「モーニング」もしくは「Dモーニング」というショーを見せている。

――確かにウェブの媒体って、プラットフォーム的ですよね。作品単位でのアクセスは見ているけど、トップページでのアクセスという見方はあまりされてないというか……。

島田 プラットフォームだったら、作品の数が重要になってくる。50作品、100作品と集めていくことになるけど、見られるものが見られるだけですよ。「Dモーニング」は読み切れない数は入れませんし、月額500円で会員になってくださった読者の方は、毎週全部のマンガを読んでくれるはずだっていう前提なんです。実際そうですし。それは作家さんにとっても、すごく重要なことだと思っています。今後、無料のプラットフォームみたいなものは無数に出てくるでしょう。そこに参加して作品を配信するのも重要なルートだけど、「Dモーニング」はここに参加することで、すべてを見てもらうというのが重要。

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