超高校級と現実の野球部、その中間…それぞれを描いた野球マンガ

1401_mix_main.jpgMIX4巻(小学館/あだち充)

 現在、日本のプロ野球もメジャーリーグもシーズンオフで、選手の移籍くらいしか話題にならない野球界。野球ファンとしてはもっともやきもきする季節ではあるが、マンガ界ではシーズンオフは関係なし。

 そこで、せめてもの慰めに野球マンガを読んでいるのだが、最近注目している野球マンガの中から、近日中に最新巻が発売される作品をピックアップ。いずれも、“高校野球”がテーマなので、元高校球児の筆者が、いち野球マンガファン&元高校球児の目線で紹介したいと思う。

 本日1月8日に発売されるのが『錻力のアーチスト』1巻と『野球部に花束を~Nockin’On YKYUBU’s Door』2巻(共に秋田書店)の2作。

『錻力のアーチスト』は、不良マンガ『シュガーレス』(秋田書店)の細川雅巳作。天才スラッガーの主人公・清作雄が、神奈川県内の強豪高校で甲子園を目指すストーリーだ。本作は、最近主流となっている「魔球や秘打、トンデモ能力の類は登場しないけど、主要登場人物が超高校級の実力を持っている系」の本格高校野球マンガ。

 中学生ながらセンターバックスクリーンにホームランをガンガン叩き込むスラッガーの清作はじめ、進学先の高校では先輩たちの能力が異常に高い。それでも昨年夏の神奈川県大会はベスト8で敗退しているというから、やっぱり神奈川県はレベルが高いんだなぁ。

 入部してすぐに2・3年生対1年生の紅白戦が行われたりと、元野球部としては疑問符がつく展開もあるのだが、そこはフィクションの世界だしご愛敬。真芯で捕えたときのボールの描写なんか、硬式球を金属バットで捕えたときの感触が伝わってくるもん。さすが細野先生。

 そして、『錻力のアーチスト』と対極にあるのが、『野球部に花束を~』だ。こちらは、野球部なら誰もが経験のあること、エピソードをまとめた『野球部あるある』(白夜書房)でイラストを担当した元高校球児・クロマツテツロウの作。

 大抵の野球マンガが試合に主軸を置くのに対し、こちらは野球部の縦社会や理不尽さをコツコツと描く。『高校球児ザワさん』(小学館)でも、野球部内の現実を描いているが、こちらはもっとエグい。「並の選手たちは自分の身近なスター選手のことを自分の武勇伝のように話す」をはじめ、「1年はハイネックやノースリーブのアンダーシャツ(ユニフォームの下に着るウェア)を着てはいけない」、「アタッチメントを付けない状態のバリカンで五厘刈りにされる」といった、野球部なら誰しもが経験のある、よく意味が分からないけど徹底して厳しく遵守させられる野球部独自のルールやエピソードが満載だ。

 私も野球部時代に五厘刈りにしたことがあるけど、これをやると頭皮が日焼けして辛い。日焼けした皮がごっそりむけるし、しかもその皮には毛穴の跡がびっしりついてるから、すごく気持ち悪いよ!

超高校級と現実の野球部、その中間…それぞれを描いた野球マンガのページです。おたぽるは、漫画マンガ&ラノベの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!