「飛撮仕事人!の飛行機撮影の世界」第2回

海外でも褒められる日本人の武器! 美しい情景と飛行機を絡めた“情景撮影”とは?

──飛行機マニアとひと口に言えど、その楽しみ方は実にさまざま。機体に乗ることを楽しむファンもいれば、各パイロットのファンにグッズ収集マニア、エンジン音マニアなど、幅広い。そこで、ここでは最も身近な“飛行機写真”の世界を覗いていただこう……。

140107_igarashi001.jpg花や草木と撮影することで季節感を出す。望遠レンズを使用することが多い飛行撮影の世界において、
情景写真は広角~標準レンズも多く使用する。


#いろいろな飛行機の撮り方 ~情景撮影~

 今回は、飛行機撮影のカテゴリーの中から、「情景撮影」についてご紹介したいと思います。

 こちらは、ステキな風景や自然等の醸しだす劇的な瞬間に、“機体を絡める”撮り方。フォトジェニックさを全面に出す、作品的要素の強い撮影方法といえるでしょう。機体のバリエーションだけでなく、1日の風景の移り変わりや季節の移り変わり、気象的な変化もあり、非常に奥深いのが特徴です。日々、撮り手の新しい発想のもと、深化しているカテゴリーと言えるでしょう。空港やその土地のシンボルを絡めたり、花や草木、山や海などを絡めて季節感を出したりするのも醍醐味。コレっと思う瞬間、2度と巡り会えないような瞬間を切り取れた時には、自分の中でモリモリと満足感が湧いてきます。

 この「情景撮影」においては、撮り方に決まりはありません。型にハマらず、自由な発想で楽しめます。ただ、動いている機体と一瞬しか現れないような情景を絡める場面では、構図の引き出しの多さやその1枚にかける準備がモノを言います。構図の引き出しは多く持っていて損はありません。最もバランスがいいと思える構図を自分の中で導き出してください。どこにピントを合わせるのか? どういった露出で撮るのか? 準備を入念に行うことが、少ないチャンスをモノにする秘訣です。もちろん、気象的な予測や、飛行コースの予測も重要です。チャンスが訪れた時に慌てて撮影しても、私の経験上、稀にしか良い結果は生まれていません。

 実はこの撮影方法、日本が最も発達していると言っても過言ではありません。世界中の飛行機写真を眺めていても、美しい情景写真はだいたいが日本人の撮影したもの。外国の飛行機写真愛好家からも「日本の人はいろいろな要素を美しく組み合わせて撮るのが上手だね」とお褒めの言葉をもらいます。海外では「飛行機写真=機体を写すもの」という意識が強いのかもしれませんが、我が国らしい撮り方というコトでもっともっと深化させていきたい撮り方です。

140107_igarashi002.jpg機体がお月様を貫いた瞬間を撮影。欲を言えばもっと真ん中に機体を入れたかったが、
このような撮影では運も必要。また、月が昇る角度や飛行コースを予測するのも重要だ。



140107_igarashi003.jpg空を飛ぶ乗り物だけに特徴的な雲と絡める機会も多い。普段何気なく見ている雲だが、
一瞬で姿を変えてしまうことも多いため一瞬のチャンスを逃さない「気付き」が必要だ。



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●A☆50/Akira Igarashi
フリーフォトグラファー兼グラフィックデザイナー。イカロス出版の発行する「月刊AIRLINE」「航空旅行」などで航空写真の連載記事制作などをおこなうほか、カレンダー撮影、航空会社の広告撮影などを担当。仕事でもプライベートでも飛行機撮影を行う生粋の飛行機好き。写真家として活動するだけでなく、DTP/WEBデザイナーやライターとしても活躍中! ガンダ◯好きだがニュータイプにはほど遠い。

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