"アニメ”と”歴史”を創るアニメスタジオ【第1回/後編】

現行ビジネスモデルの走り!?サンライズがアニメ業界にもたらしたもの

 最後に、サンライズから独立したスタッフが起ち上げたスタジオについても触れておきたい。前身を含めると40年もの歴史を持つ老舗スタジオだけあって、サンライズから分派したスタジオ数も少なくはない。代表的なところでは、現在『サムライフラメンコ』を制作しているマングローブ、『エウレカセブン』シリーズや新作『スペース☆ダンディ』を手がけているボンズ、『薄桜鬼』シリーズや『緋色の欠片』シリーズといった女性向け作品にも定評のあるスタジオディーンなどだろうか。やはり骨太でありながら強い個性を放つ作品が多く、確実にサンライズの血は各スタジオに流れていることが伺える。

 アーティストの持つ強力な個性を知り尽くしているがゆえに、あえて作家と一定の距離を保つことを選んだサンライズ。そんなスタジオから、強力な個性を発する作品が生み出され続けているのは非常に興味深い事実だ。アニメの商業性と作家性の両立に対する、ひとつのアンサーを示したサンライズは、今後もアニメ界永遠のデファクトスタンダードとして君臨し続けるのかもしれない。
(文/有田俊[シティ・コネクション])

【参考文献】
・『サンライズアニメ大全史』 (辰巳出版)
・『だから僕は…―ガンダムへの道』(著:富野由悠季、角川書店)
・『イデオンという伝説』(著:中島紳介、太田出版)
・『超合金の男 -村上克司伝-』(著:小野塚謙太、アスキー・メディアワークス)
・メイドinスギナミ vol.4株式会社サンライズ<http://www.suginamigaku.org/madein/04/02.html>

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