児ポ法改正案の問題点とはなにか?「マニアの話題」という壁を越えるために必要なこと

 このような状況を生み出したのも、やはり具体的に法律が施行された時に、どのようなことが起こるかをイメージできないからだ。

 では、特定秘密保護法なり児童ポルノ法の与党側改正案が、実際に施行された後にどのような状況を生み出すの? おそらくは、突然何かが変わることはない。実際に法を運用する警察当局が、突然「児童ポルノ」を単純所持している人々を狩り出すキャンペーンを行うかといえば、少し疑問だ。狩り出されるのは、従前通りのガチの“児童を性的に虐待している”画像などに限られるだろう。

 特定秘密保護法や児童ポルノ法改定案が共通して恐ろしいのは、この目に見えて市民生活に影響を及ぼさない部分だ。その一方で、ジワジワと法律が条文で記された内容を超えて、無制限に拡大していく様は個人情報保護法でも明らかになっている。

 2012年の違法ダウンロード刑事罰化から児童ポルノ法改定案、特定秘密保護法まで、真の問題点はココだ。いくら政治家や取り締まりを行う当局が「そのようなことはしない」といっても、国民の側の過剰な反応が一般化していく現象をとどめることはできない。実際に、まだ法改定も行われていないのに、すでに世の中には「児童ポルノとは何か?」ということを考えることなく、「子供のハダカ自体がダメ」という空気が醸成されている。そうした情勢に抗うことができる人は少数だ。

 それゆえに、法による規制は極力避けられるべきなのだが、それを多くの国民にイメージさせることは難しい。ただ心配するのをやめて、どれだけ多くの国民を説得することが出来るか? この問題がマニアックな関心事という枠を超えるために、なお一層の努力が求められている。
(文/昼間 たかし)

児ポ法改正案の問題点とはなにか?「マニアの話題」という壁を越えるために必要なことのページです。おたぽるは、マンガ&ラノベ出版業界事情の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

PICK UP ギャラリー
写真new
写真
写真
写真
写真
写真

ギャラリー一覧

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!