【新春コラム】元日は“初夢マンガ”を読んで幸せになろう!!

• ツイート
• 

　こうして私の茄子マンガ探しの旅が始まった。

　現在では年間1万点以上の新刊が出るといわれる日本のマンガ産業。戦後マンガだけを見渡しても、きっと茄子マンガがひとつや2つあるだろうというのは事実だ。

　とはいえ、茄子が主人公のマンガなど、パッと思いつかない。知り合いのマンガマニアにも聞いてみるものの、「年末の忙しさでおかしくなったのか……」というまなざしを向けられるばかりで、はかばかしい戦果は得られない。

　こうなっては致し方ない。私は、おもむろにブラウザを開くと「茄子　主役　マンガ」と打ち込み、神に祈りながらエンターキーを叩いた（ターンッ！）。

　が‥‥駄目っ‥‥！

　出てくるのは、やはりほとんどが黒田硫黄の『茄子』と高野文子の「奥村さんのお茄子」。思い出したように、『ボンボン坂高校演劇部』で知られる高橋ゆたかの『おとぼけ茄子先生』（共に集英社）が出てくるが、たぶん担当編集が求めているものはこれではないだろう。「茄子が出てくる面白いマンガ」では駄目なのだ。求められるのは圧倒的な茄子力。

「茄子　エロマンガ」といった検索フレーズを立て続けにブラウザに打ち込みながら、私は無力さを痛感していた。マンガに詳しいなどと自称しておきながら、茄子力の高いマンガの1本も見つけられない。これで何を語ることができるというのだろうか。

 
• 前のページ
 
• 1
 
• 2
 
• 3
 
• 4
 
• 次のページ