放映中のTVアニメ『WHITE ALBUM 2』が18禁美少女ゲーム版とアニメ版ではどこがどう違うのか!? 徹底検証の第11話!(これまでの記事)
※ここから先はアニメもゲームもネタバレになります。各自の責任のもとお読みください。またこの記事における原作は『WHITE ALBUM2 – introductory chapter-』を指します。
第11話は前回の続きとしてモノローグでスタートした。冒頭の冬馬かずさ(以降、冬馬)と北原春希(以降、春希)の2人だけのセッション、Aパートに入ってからの、夏休みにギターを教えてくれたお礼に英語の参考書をプレゼントするという春希の驚くほどセンスの無さを披露したエピソードまでは、完全にアニメオリジナルだった。
このオリジナルエピソードは実に完成度が高かった。原作にも描かれなかった空白の期間、冬馬と春希に何があり、冬馬の春希への想いをうかがい知ることができる。春希にプレゼントしてもらった英語の参考書を無くしてしまい、心に穴があいてしまったかのように、冬馬が雨に打たれながら空を見上げたあの瞬間、筆者は『秒速5センチメートル』(編注:2007年公開の新海誠監督による劇場用アニメ)の第三話で主人公・遠野貴樹が雪空を見上げるシーンを思い出してしまった。
モノローグが2007年11月以降になると、全て原作にあるエピソードとなった。11月以降のエピソードは、この連載で原作にはあったのにアニメ版ではカットされたと指摘してきたものばかりだった。カットされたと思っていたものが、この第11話でモノローグとしてまとめて披露されたわけだ。
これまでアニメ版の冬馬がなんだかやたらクールに見えたものの、実は裏でこんなに辛い思いをしていたという、ある意味謎解きのオンパレードで、原作を知らない、もしくはゲームを未プレイの視聴者は胸が痛くてたまらなかったことだろう。
Bパートに入っても描かれたエピソードは全てほぼ原作通りだ。温泉帰り、春希と小木曽雪菜を家に送り届け、バックミラーに仲睦まじく映る2人の姿に涙を流す冬馬の悲痛な姿は見ていられなかった。クリスマスの3人での温泉旅行はあまりにも残酷だった。冬馬にとっては拷問でしかなく、しかしそれを旅行中はおくびにも出さなかった彼女を心の底からほめてやりたい。
結局アニメ版だとカットされたと思っていたシーンは全て再現された。いま思えば第8話冒頭、雪菜が冬馬に春希と付き合うことになったと報告するシーンでも、「私知ってたんだよ! 冬馬さんがあのとき…」と発言していることで、文化祭終了後、第二音楽室で眠りこけた春希に冬馬がそっとキスしてしまったことへの伏線が張られていたのだ。
Bパート後半、ようやく本編のタイムラインに戻ってから、春希が暴走して冬馬へキスし、冬馬もそれに受入れてしまうシーンでは、春希が積極的に舌を絡めていく濃密な描写となった。ここも当然原作通り。むしろ十二分に満足できる再現度だった。
残りは2話となった。3人の関係は完全に崩壊し、春希の冬馬へ想い、冬馬の春希への想いは加速してくばかりだ。冬馬の気持ちを考えると、もう苦しくて苦しくてたまらない。雪菜も悪くはない。諸悪の根源は春希だ。School Daysの「誠死ね」ならぬ「春希死ね」だ。
それにしてもアニメ版の開桜社はギターの教則本を出していたり、ピアノコンクールを開いたり、ちょくちょく細かいところで顔をのぞかせてくる。原作ファンはニヤリせざるをえない演出だ。
今回は小木曽の声の出演が一度もなかった。次回は小木曽回となるかもしれない。
(文=Leoneko)
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