「なにが問題かよくわからない」オタクを喚起する必要性を感じさせた山田太郎参議院議員・コミケ会場前演説会

1312_c85_yamada.jpg寒風を吹き飛ばすかのごとく熱く演説を行う山田太郎参議院議員。

 児童ポルノ法改定による二次元規制強化への反対を掲げる山田太郎参議院議員(みんなの党)が、夏に引き続き今回もコミックマーケット開催中の東京ビッグサイト前で、本日29日に演説を行った。

 山田参議院議員は、2013年5月の参議院予算委員会では児童ポルノ法改定による二次元規制強化が、日本のマンガ・アニメを廃れさせる危惧があるのでは、と質問。安倍晋三総理大臣から「検討を言わば慎重に進めていくべきものであろう」との答弁を引き出した人物だ。また、2013年10月には迫り来る改定への動きに対して業界21団体を集め、反対に向けた共同行動を呼びかける会議を開催した(参照)。夏の参院選で改定に反対する国会議員の多くが落選した情勢下で、数少ない結集軸となっている人物だ。

 29日の14時頃、山田参議院議員を乗せた演説カーが、りんかい線の国際展示場駅前に姿を現す。

 寒空の下で、山田参議院議員は車上の演台に昇り路上を行き交う人々に呼びかけた。コミケ参加者も、初日の買い物を終えて帰り始めている人が増えている時間だ。初日ゆえの体力温存、年末のせわしさもあってか、足を止める人は、さほど多くない。だが、足を止めずとも「あれが山田議員か」「山本太郎じゃないほう」「児童ポルノ法改定反対の人だ」と話し合っている。さらに、ツイッターを使ってリアルタイムにツイートを行う人々の姿もある。

 山田参議院議員は演説の中で「私のところにも、マンガが大好きな子どもから手紙が来たが“おじいちゃんに、この問題の話をしたら「マンガは頭が馬鹿になるから規制に賛成」といわれた”と書かれていた」「世論が訴えないと表現規制の流れは止められない」「コミケに参加する数十万人が結集して動かないといけない」「君たちは規制されたマンガでは満足できないから、ここにいるのではないのか!」「自民党と公明党が過半数を占めている状況で、前回の都議会では数で負けた。しかし、実際の危うさを真剣に考えている人はいるのか。大きな流れに流されて大事なことを見失ってはいけない。今こそ、結集しようじゃないか」と繰り返し訴えた。

 目の前のバス停で列に並ぶ人たちに声を聞いたところ、賛同する意見がある一方で「どういう問題なのか、いまいち理解できない」「なんの演説なのかわからない」「あの人も利権で動いているんじゃない」という声も。

 ほかにもビラが夏に配布したものの余りであったなど、問題は多々あった。しかし、今年は山田参議院議員を名誉顧問として「AFEE エンターテイメント表現の自由の会」も立ち上げられているなど、取材の中で、徐々にではあるが問題を理解する人の数は増えていると感じる。オタクの中だけでも世論を形成出来ていない現状を突破するのが、2014年最初の課題となりそうだ。なお演説会は、明日30日も行われる予定だ。
(取材・文/昼間 たかし)

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