コミックマーケット開催直前!商業誌の修正強化で18禁同人誌は無事ですむのか?

 今年7月にコアマガジンの編集者が逮捕される事件を受けて、一段と厳しくなったエロマンガの“消し”(性器部分をモザイクや黒塗りなどで隠すこと)。29日から開催されるコミックマーケットでも、これを受けて、頒布される同人誌の消しのチェックが、いっそう厳しくなる可能性が高い。

 先の事件から、エロマンガの消しはどんどんと強まっている。こうした中で11月に主催者のコミックマーケット準備会(以下、準備会)では「コミックマーケットにおける頒布物の表現について」と題した文書を発表し、注意喚起を行っている。コミックマーケットでは、従来より開会前に見本誌チェックを実施し商業誌に準じた基準で、消しの判断を行ってきた。

 11月に発表された文書では、この点を改めて強調すると共に「男性向・女性向の内容を問わず性器や性交シーンを描写する場合、成年向けマンガ誌の修正にアンテナを張り、今年10月以降に書店流通している成年向けマンガ誌の内容を実際に確認した上で、必要と思われる修正等を行っていただくことをお願いします。現行の成年向けマンガ誌に準じていない描写については、頒布物確認の結果が不適当となります」としている。

 そのため、出展者は今回の新刊において従来よりも修正を行っていると思われる。ただ、ここで気になるのは既刊の扱いである。商業誌の場合、修正が強化される以前に出版されたものが回収されるなどの動きは起きていない。そのため、警察当局も既存の出版物については、関知しない態度を取っていると思われる(あくまで、今のところである)。

 準備会では、以前の開催時にすでにチェックを行った頒布物に関して提出を義務づけていない。また、商業誌に準じて判断するのであれば、既存のものに関しても同様の対応が行われると見られる。ただ商業誌の消しは、すでに多くのサークルが入稿を終えたであろう12月になってからいっそう厳しいものとなっている。そのため、準備会も難しい判断を迫られる頒布物が出る可能性もある。

 18禁同人誌を扱う出展者にとっては困難なところだが、準備会の判断は出展者を苦しめるものではない。11月の文書の中では「頒布物確認を行なうことは、頒布物に対して準備会がサークルとある意味共同して責任を取れる形とすることを目的にしています」とも述べられている。判断に迷い、不安を募らせるなら、まずは頒布前に相談することが望ましい。「来る者は拒まず」の準備会の姿勢を信頼したい。
(取材・文/昼間 たかし)

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