『黒子のバスケ』脅迫事件で編集部に届いた手紙を公開 求められる全容解明

2013.12.17

2013年4月10日、小社に届いた手紙。
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 ついに容疑者が逮捕された『黒子のバスケ』脅迫事件。この事件では「喪服の死神」あるいは、その「別働隊」などを称する人物によって、マスコミ各社に事件を取り上げることなどを求める「犯行声明」も届いていた。

 実は、今年4月、この事件を取り上げていた小社サイト「日刊サイゾー」に対しても、犯人とおぼしき人物からの手紙が届いていた。

 編集部に封書が届いたのは、今年4月10日。消印は静岡南郵便局であった。「黒子屠殺実行委員会 喪服の死神・怪人801面相・黒報隊」を名乗る人物は、犯人に取材に応じるよう呼びかけた2012年の記事に対して、次のように触れた。

「我々が貴誌だけにスクープとして事件の真相の一部を告白すれば掲載してくれるだろうか? もしも応じてくれる気があるなら4月10日から15日付けの貴誌のネット版の記事で一度でいいし何でもいいから事件を取り上げた記事を載せてくれ そしてその記事の中で「グリコ森永事件」という言葉を使って欲しい もちろん記事では我々のことを徹底的に罵ってくれて構わない それを確認できたら貴誌だけに何回か郵送で情報提供をする」(原文ママ)

 さらに手紙の末尾には「これから何日後かには金沢・静岡・神戸・有明・名古屋の同人誌即売会に参加しようとしていた黒バス腐女子たちの阿鼻叫喚がネット上に木霊するだろう」と、新たな脅迫を予告する一文も記載されていた。

 この「犯行グループ」を名乗る人物からの手紙が届いた当時、全国各所の同人誌即売会などに対しての脅迫も再開されていた。それらの脅迫状の文面は、前年の「喪服の死神」からのものと異なり、ネットで見ることのできるさまざまな事件の脅迫状を真似ているという特徴があった。

 そのため、小社編集部では本当の「犯人」からの手紙である可能性が低く、報道が余計な模倣犯を招くこともありえると考え、掲載を見送った。

 そうしたところ、10月になり、再び復活した脅迫犯は、今度はマスコミ各社へ自分の主張を取り上げるよう、さらに攻勢を強めたというわけである。

 文体から見るに今年4月、10月に相次いだ脅迫状は同一犯である可能性が高い。だが、本当に、今回逮捕された渡辺博史容疑者の単独犯なのか? あるいは、この手紙に記されているような犯行グループがあるのか、複数の模倣犯がいたのか……。渡辺容疑者が500通にも上る脅迫状をひとりで送ったと供述した、という報道も出てきている。『黒子のバスケ』を愛する読者が枕を高くして寝るためにも、早急な全容解明が求められている。
(文/昼間 たかし)

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