なぜ今さら『ジョジョ』が受賞? 贈賞理由も意味不明な文化庁メディア芸術祭に漂う終末感

1312_mediart.jpg「第17回文化庁メディア芸術祭」公式HPより。

 12月5日に発表された第17回文化庁メディア芸術祭の受賞作品。マンガ部門では荒木飛呂彦氏の『ジョジョリオン ―ジョジョの奇妙な冒険 Part8―』(集英社)が、大賞を受賞。ほか4作品が優秀賞を受賞。新人賞の3作品と、審査委員会推薦作品32作品も発表された。しかし、この結果に対し、ネットでは「なぜ今?」「並んでいる作品の今さら感が強い」といった意見が噴出していた。

 文化庁メディア芸術祭は「アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバル」というもの。マンガ部門では「クリエーターがクリエーターを選ぶ」ことをコンセプトにして、既存の出版作品と自薦作品から選ばれることになる。1997年の第一回開催から、今回で17回目。毎回、大賞1作品と優秀賞4作品が選考されるので、既に数多くの作品が受賞をしている。

 今回だけに限らず、これまでの受賞作品を含めても目につくのは「マンガをよくわかっている人の読むマンガ」が選ばれていることだ。毎年、年末になると雑誌やムックなどで「本年のマンガベスト○○」という特集は、よく見られる。そうした作品の中では、実際に売れているもの=ユーザーの支持が厚いものを離れて、選者が「オレはマンガのことわかっているんだぜ」という意思が見え隠れするものが多い。

 従来のマンガを対象とした賞にありがちだった出版社の影響を取り除いたこの賞においても、妙な「上から目線」の呪縛からは逃れられていない。

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