『ウルトラマン』に『ダグラム』…冬木透の名曲を生演奏!!感動しっぱなしの「スペースカインズライヴ25」

■サウンドで蘇る『ダグラム』ワールド!

 今回のテーマは前出の通り、「冬木透」。冬木透と言えば、やはり『太陽の牙ダグラム』のBGMだ! というわけで、「スペースカインズライヴ25」第一部は『ダグラム』関連楽曲を組曲形式に編成した「太陽の牙ダグラム大特集!」からスタート。

 オープニングナンバーは、まさかの『デロイヤ7の歌』! そう、ゲリラ連中が劇中で歌っていた、あの陽気な歌である。予想外の幕開けに、会場からは驚きと笑い声が上がる。そこから返す刀で物悲しげなメロディが流れ始める。

「鉄の腕は萎え、鉄の脚は力を失い、埋もれた砲はニ度と火を噴くことはない。鉄の戦士は死んだのだ。狼も死んだ。獅子も死んだ。心に牙を持つ者は全て逝ってしまった」

 ボーカルの一員にしてベーシストの常見弘士によって第1話冒頭のナレーションが語られ、そこからオープニングテーマ『さらばやさしき日々よ』がスタート。引き続き常見の渋いボーカルがさえわたる。そして、とどめにサブタイトルのジングルが流れてライブタイトルの紹介。もうこの流れだけでおなかいっぱいだよ! とにかく作品に対する愛情とリスペクトがハンパじゃないのである。しかも、これらの楽曲がすべて目の前で「生演奏」されるという説得力。これは、ほかのライブでは絶対に体験できないスペクタクルである。

1312_spacekinds_sasuga.jpgベースの常見弘士(写真右)とバンドマスターの貴日ワタリ(同左)。

 バンドマスターにして、キーボード、ボーカルを担当する貴日(さすが)ワタリは「作品のイメージが思い浮かぶように組曲にした」と最初のMCでコメントしたが、その言葉どおり、まずは平和な地球でのシーンを思わせる穏やかな楽曲。動乱の匂いが漂い始めるシリアスな楽曲。ダグラム起動時のBGMから戦闘シーンに! という具合に、見事『ダグラム』序盤の目まぐるしい展開をサウンドで再現。中盤の山場では、名曲『EXODUS』を貴日ボーカルで演奏。女性コーラスの美しさや勇ましいブラスも相まって、テンションもじわじわと上昇する。そして終盤は、悲壮感と昂揚感が隣り合わせのマーチ風サウンドから、次回予告でおなじみの「あのフレーズ」が飛び出し、締めにエンディングテーマ『風の行方』をキーボード兼ボーカルの斉藤淳一がしっとりと歌い上げた。全75話にわたる壮大なSF戦争ムービーを、40分前後のライブステージにまとめあげたスペースカインズに、全力でスタンディングオベーションである!

 第一部終盤は、冬木透が手掛けた60年代から70年代のドラマ楽曲が演奏された。マカロニウェスタンの香り漂う『風』(1967年の時代劇『風』より)や、ピアノのフレーズとスネアロールに絡む勇壮なブラスセッションが印象的な『誠之介武芸帳』(1969年の時代劇『妖術武芸帳』より)。陽気で楽しげな『怪獣大奮戦ダイゴロウ対ゴリアス』のテーマソングなど、冬木ファンなら感涙の楽曲がズラリ。

 実のところ、筆者は各ドラマ作品の世代ではなかったのだが、スペースカインズとショッカーO野のわかりやすい解説とMCもあって、冬木透の幅広くハイクオリティな仕事ぶりと楽曲の魅力をしっかりと堪能することができた。こういったまだ知らぬ楽曲との出会いがスペースカインズライヴの魅力のひとつでもあるのだ。

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