また、『ブランニュー(はぁと)スター』に登場する男の娘コスプレアイドル“ルキヤ”こと時斗は、とにかくかわいいものが好きで「自分自身もそうなりたい」と思っていた。でも、別に本当の女の子になりたいわけではなかったので、普段は地味な高校生として、女装趣味のことは必死に隠しながら生活していたのだ。それなのに、ルキヤの熱烈なファンだった保健医の桂木にバレ、熱烈アプローチで押し倒され、感じてしまう。その後、桂木と結ばれて女装デートを楽しむ彼らだったが、ある日突然、時斗は同級生の筧に告白されたことで、2人の間で揺れ動いてしまう。しかし、筧が桂木に対して言った「オンナの格好させて連れ回す」という一言から、時斗は本当に自分のことをわかってくれているのは桂木だけだ、ということに気づく。男同士の恋愛において、男の自分を受け入れてもらうのも大変なのに、そのうえ男の娘としての自分も受け入れてもらうのはなかなか難しい。でも、ハードルが高いぶん、BLとしての切なさや萌えもより多く補給できるのだ。
さらに、人気の写真家から直々にスカウトされ「君がモデルなら、究極の『男の娘』写真集が撮れる気がする」とまで言わせたのが、BLノベルス『ハニー・トライアングル~蕩ける蜜の味~』の杏一だ。女装モデルに最初は自信なさげだったけれど、メイク後の鏡を見て思わず本人も「これ……僕?」とつぶやいてしまうほどの出来栄えに。それから「男も抜ける男の娘」をコンセプトに、女性ものの下着をつけてセーラー服からのパンチラ、胸チラ写真をどんどん撮っていくのだが、恥ずがしがって体をくねらせたり、赤面する姿には女子ですら萌えてしまいそう。親友の忍と蓮が、彼の女装姿に見とれてしまうのも仕方ないと思える。もともとかわいい男の子は、女装することによってさらにかわいくなるだけじゃなく、相手により一層禁忌を犯している気分を与える。もしかしたら、その背徳感がたまらないのかも。
男の娘BLでは、普通のBLよりも倒錯的な雰囲気を楽しめる。それだけでなく、男の娘モデルのBLなら、好きな人以外にもその姿を見られる存在になるので、好きな人の嫉妬心や独占欲を煽ることができる。それと同時に、普段は隠している自分が出せたり、自分でも知らなかった気持ちに気づくことだってできるのだ。そう考えると、男の娘モデルはBLでこそ輝くのかもしれない。
(文/田口いなす)
■『さよなら僕のプリンセスロリイタ』
著者:紺色ルナ
出版社:海王社
価格:630円(税込)
■『ブランニュー(はぁと)スター』
著者:鬼嶋兵伍
出版社:竹書房
価格:630円(税込)
■『ハニー・トライアングル~蕩ける蜜の味~』
著者:愁堂 れな イラスト:門地 かおり
出版社:リブレ出版
価格:893円(税込)
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